心理科学科について
医療・福祉・教育・産業・司法等の領域で、心身の健康問題を心理科学によって分析・解決できる柔軟な能力を有する、公認心理師等の専門的職業人の育成を目的としています。
こころの問題について科学的に分析・解決する知識と技能、それらの問題を抱える様々な立場の人々によりそうカウンセリング・マインドとコミュニケーション能力を修得することが教育目標です。
学科の特長
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科学的根拠にもとづいた心理学を
最新の研究分野まで幅広く学びますデータや実験にもとづいて、人のこころや行動を分析・理解するサイエンス「心理科学」を学ぶほか、こころの健康維持・増進のための「健康・医療心理学」「ポジティブ心理学」といった新分野にも挑戦します。
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心理系学部ならではの深い学びと
実践力を育む授業科目が魅力です“学問”として「心理学」を研究しているため、専門性の高い心理学の専任教員から学べるのが魅力です。医師、公認心理師、精神保健福祉士など、国家資格をもつ教員に加え臨床心理士や健康心理士など実務に長けた教員から学べます。
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2つの国家資格取得(精神保健福祉士・公認心理師)をめざすことが可能です
4年間で、精神保健福祉援助の専門職である精神保健福祉士の国家試験合格をめざします。また、公認心理師に必要な科目を開講しており、併設する関西福祉科学大学大学院への進学で、公認心理師の取得をめざすことが可能です。
学科のポイント
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2023年度より新たに3コース制にリニューアルします
自分の興味や進路に向けて、さらに学びを深められます。
「教育・発達コース」、「医療・健康コース」、「社会・生活コース」
どちらのコースでも公認心理師をめざせます。
≫公認心理師特設ページへ -
国家資格「公認心理師」に対応したカリキュラムで、公認心理師の養成を行います
福祉の総合大学だからこそ提供できる5領域に関連する授業や充実した実習
を通じて、心理学の将来を担うことができる人材を養成します!
≫公認心理師特設ページへ -
こころの健康を維持・増進する最新の心理学を幅広く学習できます。
従来からある「臨床心理学」だけではなく、
「健康心理学」「ポジティブ心理学」、強みを引き出す「モチベーションの心理学」など、多彩な心理学が学べます
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学部卒で「心のエキスパート」として職場で活躍する道をひらきます
体験型の学びやボランティア充実しており、病院や公務員などで活躍する、
心理学部では希少な、学部卒の国家資格の「精神保健福祉士」の養成にも力を入れています
心理科学科長インタビュー
心理学は、「文科系」それとも「理科系」の学問なのでしょうか?
たいていの人は「心理学は文科系の学問である。」と思っているでしょう。でも本当なのでしょうか。これは正しくない認識なのです。ではどうして、このような誤解が生じているのでしょう。この背景には、わが国で心理学が学問として独り立ちした明治の初期に遡ります。当時は、人の心の研究方法が分からず「心とは、×××のようなものだろう。」とか「人間は皆の顔が異なるように、心も皆違うものだ。」との考え方から、頭の中で想像する学問として始まりました。その結果、心理学は哲学のように人間の生き方やあるべき姿の追求をしていく学問と同じように捉えられ、明治時代初期における心理学の研究や学びの場は、大学では文科系の学問の代表である文学部に位置づけられることになったのです。
ところで、人は悲しいことがあれば涙を流して泣きますし、面白いことや嬉しいことがあれば笑います。このことから、心理学は 「人間は確かに皆違うが、共通する部分もたくさんある。」ことに注目します。また、病気等が原因で悲しい出来事が生じても笑っている人がいることの存在に気づき、この差異を研究することこそが人間の本質的理解につながるとの考え方が心理学でも世界的に主流となります。この変化に伴って、心理学は多くの人に共通する心やそこに生じる変化、問題を理解することを目指すようになりました。ここで重視されることが「できるだけ多くの人に共通すること」です。このことを頭の中だけで考えていても実際には良くわかりません。そこで、数学的な発想を用いて「できるだけ多くの人」を抽出することと、その人たちがどのように同じように感じ、心に変化が起こるかについてのメカニズムを客観的に分析し解明していくのが現代の心理学なのです。もうお気づきかと思いますが、心理学には高等数学は必ずしも必要ではありませんが、まずは数学的発想を導入しての「多くの人」という考え方が不可欠となっています。
また、心理学は隣接領域にある医学、とりわけ精神医学との境界は近年ますますなくなりつつあり、人の心を理解する一つの手段としての医学的なアプローチが不可欠になっています。医学部に進学するには、高等学校では「理科系」に所属すべきことは誰でもが知っていることでしょう。だとすると、心理学ときわめて距離が近い精神医学を理解するには、やはり数学的な発想や生物学や化学といった理科系の知識は必要となります。
以上のように、心理学はもはや「文科系」とか「理科系」のどちらの学問かという問題ではなく、人の理解にはあらゆる知識と経験に基づき、科学的に理解していくものなのです。このことを、一人でも多くの人に理解して欲しいこと、またそのことを実践していく研究や学問の場であることを正しく伝えたいとの思いが、本学の「心理科学部」なのです。
治療と予防
心に問題が生じれば、何らかの治療が必要となります。その一翼を担うのが心理治療と呼ばれるものであり、本学では「心理臨床コース」で専門的に学びます。しかしながら、本学が考える心理学の在り方は、単に心の病を治療するだけの心理学ではありません。もしも、誰一人として心に問題が生じなければ、治療の必要はありません。このことに着目し、本学では、心に問題が生じないようにと、日ごろからの心の予防と健康維持いう観点に注目しています。また、人と人との軋轢や問題が生じないような社会を目指すために、更には近年注目されているスポーツ選手を代表とするコーチングや心の支え方の在り方等を科学的に研究することを目指し、それらの学びの場として「現代心理コース」を設けています。
このように、これまでにはなかった科学的アプローチによる新しい心理学を学び研究する場が、本学の心理科学部なのです。あなたも新しい心理学を本学で学んでみませんか。
心理科学科 三つのポリシー
心理科学科のアドミッション・ポリシー(求める学生像と受け入れ基本方針)、
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)、
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)はこちらからご覧ください。