心理科学部について
教育目標
臨床福祉の精神の下、心のはたらきについての科学的知識と、心の健康を実現するための効果的な援助技法を教授し、人々が幸せを感じて生きていける社会づくりに貢献できる実践的人材を育成します。
学部長メッセージ
心理学は、「文科系」それとも「理科系」の学問なのでしょうか?
たいていの人は「心理学は文科系の学問である。」と思っているでしょう。でも本当なのでしょうか。これは正しくない認識なのです。ではどうして、このような誤解が生じているのでしょう。この背景には、わが国で心理学が学問として独り立ちした明治の初期に遡ります。当時は、人の心の研究方法が分からず「心とは、×××のようなものだろう。」とか「人間は皆の顔が異なるように、心も皆違うものだ。」との考え方から、頭の中で想像する学問として始まりました。その結果、心理学は哲学のように人間の生き方やあるべき姿の追求をしていく学問と同じように捉えられ、明治時代初期における心理学の研究や学びの場は、大学では文科系の学問の代表である文学部に位置づけられることになったのです。
ところで、人は悲しいことがあれば涙を流して泣きますし、面白いことや嬉しいことがあれば笑います。このことから、心理学は 「人間は確かに皆違うが、共通する部分もたくさんある。」ことに注目します。また、病気等が原因で悲しい出来事が生じても笑っている人がいることの存在に気づき、この差異を研究することこそが人間の本質的理解につながるとの考え方が心理学でも世界的に主流となります。この変化に伴って、心理学は多くの人に共通する心やそこに生じる変化、問題を理解することを目指すようになりました。ここで重視されることが「できるだけ多くの人に共通すること」です。このことを頭の中だけで考えていても実際には良くわかりません。そこで、数学的な発想を用いて「できるだけ多くの人」を抽出することと、その人たちがどのように同じように感じ、心に変化が起こるかについてのメカニズムを客観的に分析し解明していくのが現代の心理学なのです。もうお気づきかと思いますが、心理学には高等数学は必ずしも必要ではありませんが、まずは数学的発想を導入しての「多くの人」という考え方が不可欠となっています。
また、心理学は隣接領域にある医学、とりわけ精神医学との境界は近年ますますなくなりつつあり、人の心を理解する一つの手段としての医学的なアプローチが不可欠になっています。医学部に進学するには、高等学校では「理科系」に所属すべきことは誰でもが知っていることでしょう。だとすると、心理学ときわめて距離が近い精神医学を理解するには、やはり数学的な発想や生物学や化学といった理科系の知識は必要となります。
以上のように、心理学はもはや「文科系」とか「理科系」のどちらの学問かという問題ではなく、人の理解にはあらゆる知識と経験に基づき、科学的に理解していくものなのです。このことを、一人でも多くの人に理解して欲しいこと、またそのことを実践していく研究や学問の場であることを正しく伝えたいとの思いが、本学の「心理科学部」なのです。
あらゆる社会に活かせる心理学
心理科学部での学びは、人や社会を理解するに際してあらゆる知識と経験に基づき、科学的に理解していくことを目指しています。
ただ、現代社会は複雑化しており単純に理解できるものではありません。
そこで、心理科学部では、個人の成長や教育場面での心理面への影響を解明し理解していく「教育・発達コース」、また犯罪や災害などでもたらされる心の変化の理解や対応を科学する「社会・生活コース」、更には人の健康維持や増進を目指して、時には不調となる心の理解とその治療を科学的に探究する「医療・健康コース」という3つのコースを設けて、現代社会に役立つ心理学を幅広く学び研究しています。
あなたも、本学の心理科学部で、社会のあらゆる場面で活かすことのできる最先端の心理科学を学んでみませんか。
学科紹介
心理科学部 三つのポリシー
心理科学部のアドミッション・ポリシー(求める学生像と受け入れ基本方針)、
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)、
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)はこちらからご覧ください。