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臨床福祉学専攻(博士前期課程)概要


科学する実践者(ソーシャルワーカー)になる

すぐれた実践者は、自らの実践をわかりやすく説明することができます。
そのため、本専攻には、ソーシャルワークの理論だけではなく、いくつかの具体的なアプローチや、自らの感性をブラッシュアップするのに役立つ人間学の授業があります。これらを学ぶことで、現場で体験したことを理論に照らして意味づけたり、ソーシャルワークの価値や理論を自らの感性で問い返し、再構築していくことが可能になります。
また、調査研究法を学び、研究者としての基礎を身につけることもできます。

教育目的・目標

福祉社会を実現するために必要な高度な理念、理論、技術を教授し、人の幸せの実現に貢献できる高度専門職業人および専門職業人に対するリーダー・スーパーバイザー、ならびに研究者を養成し、福祉社会の構築に還流することを目的とする。
臨床福祉学専攻の前期課程では、現場の職業人に対して指導できるリーダーおよびスーパーバイザーを養成する。また、後期課程においては、社会福祉の高度な研究能力を育成することにより、教育者、研究者を養成します。


研究演習(2024年度)

小笠原 慶彰

【研究テーマ】
・人物を中心とした社会福祉史
明治以降の日本で、どのような人物や、どのような実践が、社会福祉の思想や理論、関連する政策や法律、専門技術としてのソーシャルワークの成立に貢献したかを研究します。日本の社会福祉は外国から多くのものを学びましたが、日本の伝統や土壌、文化との接触による変容も看過できません。戦前期も含めて社会事業・社会福祉に関する人物研究のある程度の蓄積はありますが、まだ途上です。そうした状況に鑑みて社会事業・社会福祉の展開に寄与した人物群を研究していきます。

修士論文作成を目的にした研究演習です。学術誌への投稿を目指して論文を執筆するイメージです。私自身の関心は、近代以降における日本の社会福祉史にありますが、学術論文執筆に際して、その研究テーマにどのように取り組んでいくか、一緒に討論していくことは可能でしょう。学術論文の執筆には、遵守するべき研究倫理、論文執筆や投稿のマナー等があります。研究テーマの設定と同じくらい重要なことです。修士論文の作成過程は、そういった研究文化を学ぶ過程でもあります。そういう過程を通して教員と論文作成者が、信頼関係を築けることを祈念しています。

津田 耕一

【研究テーマ】
・障害者の自立生活支援
・キャリアバスに基づいた福祉人材育成

障がいのある人々の生活支援をどう展開していくべきかを社会福祉援助に基づいて検討していきます。近年障害福祉分野では”利用者主体”が強調されていますが、利用者主体に基づく支援とはどのようなものか、どうあるべきかについて、基礎理論を学び実践を模索していきます。単に専門知識を理解するだけでなく、実際にどう応用すべきかといった実践に根ざした研究を学生と教員が一体となって行っています。

安井 理夫

【研究テーマ】
・真に人間らしい生活を支援するためのソーシャルワーク理論の構築
・実在的な対人支援技術のトレーニング

主なテーマとしては、①ソーシャルワーク理論(ソーシャルワークとは何か)、②実践方法(特に利用者中心の実存的なアプローチ)、③支援技術(面接の方法や技法が、利用者の自己実現や社会的自律性の獲得にどう役立っているのか)、④学習やトレーニングの方法(スーパービジョンや事例検討、実習指導など)です。研究のための研究ではなく、理論と実践をつなぎ、利用者の福祉に貢献できるような研究となるように、研究の方法や論文の作成(構成や執筆)について適宜指導します。核となる利用者理解や支援方法は共通だと考えていますので、実践の分野にはこだわりません。

都村 尚子

【研究テーマ】
・認知症高齢者に対する真の利用者中心の支援に関する研究
・自殺防止対策トレーニング
・高齢者を介護する家族支援

エビデンスが重視される研究の世界において、数値化しにくいものに対していかに客観性を持たせるかという要請から、質的研究の構築がなされてきました。個人の幸福を目指す社会福祉において、実践の効果が幸福の増大であるとすれば、いかにしてそれを明確にするか、共に学びましょう。

御前 由美子

【研究テーマ】
・精神障害者の就労・生活支援に関する研究
・ソーシャルワークのプロセスに関する研究

基礎的な理論の学びをふまえたうえで、利用者を中心とすることや支援するとはどういうものなのかということを深く考えつつ、実践に役立てることを目指した研究を行います。そして、けして研究のための研究にならないように留意して、修士論文の作成を進めていきます。

島田 恭仁

【研究テーマ】
・知的障がい児者の学習支援に関する研究。
・発達障がい児者の読み書き・コミュニケーション支援に関する研究。

知的障がいや発達障がい(LD・ADHD・ASD等)のある児童の特別支援教育について、教育と福祉との連携という視点を踏まえて研究演習を行います。知的障がいに関しては、知的発達に遅れのある児童の心理特性に適した学習支援の在り方を追求します。発達障がいに関しては、知的発達に遅れがないにも関わらず、学習面や社会性の面で困難を抱えている児童に適した、読み書きやコミュニケーションの支援の在り方について追求します。

小口 将典

【研究テーマ】
・保育ソーシャルワーク研究(子育て支援・家庭支援)
・アセスメント(生活理解の方法・分析)ツールの開発
・支援「拒否」などのセルフ・ネグレクトケースへの介入
・福祉・保育の人材養成に関する研究

福祉の研究は誰のための、何のための研究なのか。それは、生きることの困難さの渦中にいる人たち、そしてその人たちの困難さを共に抱え、苦闘しながらも支えている現場のワーカーたちに実践の手がかりと希望を示すものでなくてはなりません。ソーシャルワークの実践は目には見えないスキル(価値・知識・技術)で成り立っています。その見えないソーシャルワーク実践(臨床)と理論をつなぎ、わかりやすい「ことば」で論文にまとめることを目指します。修士論文の作成を通して、研究者としての一連の作法を学ぶと共に、ソーシャルワークの実践家としての成長を期待して指導していきます。


専攻からのメッセージ

大学院で何を学ぶか

学部では、社会福祉士や精神保健福祉士といった国家資格の取得が目標のひとつでした。したがって、合格のための知識の修得が中心になり、実習などで体験したことをソーシャルワークの価値や自らの感性で問い返し、意味づけていく機会は多くなかったかもしれません。しかし、自律した実践者をめざすためには、利用者の、あるいは利用者が置かれた状況の何を把握し、どう考えて、何をしたのか、つまり自分が行った支援がどういうものだったのかを説明できることが求められます。そのために必要なのは、実践を理論に照らして意味づけるという演繹的な思考と、実践から理論を構築したり問い直すという帰納的な営みの2つです。このように、自らの実践を振り返ったり、実践の理論化をめざすことで、期待できることはつぎの2つです。

よりよい実践者をめざすこと

ひとつは、実践者(ソーシャルワーカー)としてのスキルアップです。本学の大学院は、ソーシャルワークとは何か(価値と知識)だけではなく、いくつかの具体的なアプローチや、研究方法についても学べるようなカリキュラムになっています。また、ソーシャルワーカーとしての価値観や感性を磨くための人間学の授業もあります。さらに、いくつかの授業は認定社会福祉士の科目として認定を受けていますし、スーパビジョンの機会も用意されています。また、社会人の学生が学びやすいように、必修科目は夜間に上本町のサテライトで開講しています。

研究者としてのスタートラインに立つこと

もうひとつは、将来ソーシャルワークの研究者として活躍するための基礎をマスターできることです。研究者に求められるのは、論理的な思考と科学的な説明の能力です。どんなにすばらしい実践をしていても、理論化しない限り、他のソーシャルワーカーと分かちあったり、次世代に引き継いだりすることはできません。つまり、実践理論とアプローチをマスターし、研究法のトレーニングをすることで、大学院での学びは、よりよい実践と研究のスタートラインになるのです。みなさんの入学を楽しみにしています。

臨床福祉学専攻代表
安井 理夫 教授



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