心理臨床学専攻(修士課程) 概要
心理学のプロフェッショナルである公認心理師を目指す
社会は今、国家資格である公認心理師として相応しい素養を身に付けた心理学の専門家を求めています。心理臨床学専攻では、公認心理師を養成するための充実したカリキュラムを提供しています。大学学部の4年間で学んだ心理学の専門知識とスキルを基盤として、本専攻での丁寧な指導により、高度な専門職となるための実践力と、専門家として求められる科学的な研究能力を養います。
取得可能な資格
公認心理師
公認心理師は、心理職における唯一の国家資格です。国家試験に合格すれば「公認心理師」として、医療、福祉、教育、司法、産業の5領域で働くことが可能です。本専攻では、公認心理師の受験資格に対応した質の高いカリキュラムと、国家資格取得に向けての充実したサポートを提供しています。特に、実習とアセスメントについては学部と大学院の6年間で学ぶ内容に一貫性をもたせる形で計画しています。また、国家資格取得に向けてのサポートも充実しています。
※本大学院で公認心理師受験資格を取得するためには、4年制大学において公認心理師法で定められた科目を修めて卒業したうえで本専攻において必要な10科目(心理実践演習:450時間の実習を含む)の履修が必要です。
臨床の専門家をめざす
社会福祉学研究科は、臨床福祉学専攻と心理臨床学専攻から構成されます。2つの専門領域は、それぞれ独自の専門職として確立されていますが、人間の理解と援助という面では、共通しています。修士課程では、専攻を越えて科目を履修し、心理の分かる臨床福祉、福祉のわかる心理臨床の専門家をめざします。臨床福祉学専攻では、仕事と研究の両立を志向する夜間開講コースがあります。心理臨床学専攻では、公認心理師の養成に対応しています。臨床福祉学専攻博士課程では、本学独自の3年次編入制度により学位取得を応援します。
社会福祉学研究科長
小笠原 慶彰 教授
大学院での学び
研究演習担当教員(2024年度)
本専攻は、研究指導教員が多く、研究領域も幅広く専門性も高いのが特徴です。演習の担当者11名と主な専門領域は以下の通りです(五十音順)。
相谷 登 教授 | 司法・犯罪心理学、家族心理学 |
粟村 昭子 教授 | 投映法、パーソナリティ、病院臨床 |
宇惠 弘 教授 | セルフ・エフィカシーの発達・形成 |
小笠原 將之 教授 | 精神病理学、精神・心理臨床(産業領域、死生学等を含む)、投映法等 |
木村 貴彦 教授 | 認知心理学、人間工学、産業心理学 |
櫻井 秀雄 教授 | 自閉スペクトラム症、アイデンティティ形成、余暇活動支援プログラム等 |
多田 美香里 教授 | 空間の認識と移動、把持動作に関する実験的研究 |
谷向 みつえ 教授 | 社会的養育、アタッチメント、トラウマ、児童虐待、親性の発達等 |
津田 恭充 准教授 | 非意識、認知バイアス、自己意識、潜在連合テスト |
長見 まき子 教授 | 働く人のメンタルヘルス、EAP(従業員支援プログラム)、職場復帰支援 |
福田 早苗 教授 | 健康心理学、予防医学、公衆衛生学、精神神経内分泌学 |
修士論文作成に向けての研究に当たっては、発表会の開催を含め、専門的な指導を充実させています。
学内・学外実習
本学大学院では、学内外の多数の施設において、公認心理師が活躍する5領域での実習経験を積むことができます。
・学内実習
本学の付属機関として、心理・教育相談センターとEAP研究所があります。
心理・教育相談センターは、地域に開かれた実習・相談機関であり、大学院生が教員の指導を受けながら心理・発達アセスメント、遊戯療法、行動療法、カウンセリング、グループ活動などの実践を学ぶことができます。
EAP研究所は、わが国の大学で唯一EAP(従業員支援プログラム)の実践的研究をテーマとして掲げる研究機関であり、産業領域の全般的知識や実践的スキルを身に付けるための実習を受けることができます。
・学外実習
大阪府下を中心とした多数の医療機関(精神科病院、総合病院、診療所)、公立学校、福祉施設、司法関係施設などと提携し、公認心理師としての豊富で良質な素養を身に付けることができます。
修了生の進路
本専攻の修了生は、病院等の心理職、スクールカウンセラー、発達相談員、公務員、大手企業の社内カウンセラーなど、幅広い領域の専門職として活躍しています。2019~2023年度の修了生25名の進路の内訳は、公務員(32%)、医療関係(24%)、福祉関係(20%)、教育関係(12%)、その他(12%)となっています。
公認心理師国家試験結果
本学大学院心理臨床学専攻2023年度修了生の第7回公認心理師国家試験の合格率は 100% (全国平均76.2%)でした。