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臨床福祉学専攻(博士前期課程)概要


科学する実践者(ソーシャルワーカー)になる

すぐれた実践者は、自らの実践をわかりやすく説明することができます。
そのため、本専攻には、ソーシャルワークの理論だけではなく、いくつかの具体的なアプローチや、自らの感性をブラッシュアップするのに役立つ人間学の授業があります。これらを学ぶことで、現場で体験したことを理論に照らして意味づけたり、ソーシャルワークの価値や理論を自らの感性で問い返し、再構築していくことが可能になります。
また、調査研究法を学び、研究者としての基礎を身につけることもできます。

教育目的・目標

福祉社会を実現するために必要な高度な理念、知識、技能を教授し、人の幸せの実現に貢献できる高度専門職業人および専門職業人に対するリーダー・スーパーバイザー、ならびに研究者を養成し、福祉社会の構築に還流することを目的とする。
臨床福祉学専攻の博士前期課程では、社会福祉の高度な理念、知識、技能を修得し、臨床場面において高度なレベルの対人支援を行うことのできる社会福祉実践のリーダー、専門職業人を養成します。


臨床の専門家をめざす

社会福祉学研究科は、臨床福祉学専攻と心理臨床学専攻から構成されます。2つの専門領域は、それぞれ独自の専門職として確立されていますが、人間の理解と援助という面では、共通しています。修士課程では、専攻を越えて科目を履修し、心理の分かる臨床福祉、福祉のわかる心理臨床の専門家をめざします。臨床福祉学専攻では、仕事と研究の両立を志向する夜間開講コースがあります。心理臨床学専攻では、公認心理師の養成に対応しています。臨床福祉学専攻博士課程では、本学独自の3年次編入制度により学位取得を応援します。

社会福祉学研究科長
小笠原 慶彰 教授


研究演習(2025年度)

小笠原 慶彰

【研究テーマ】
・人物を中心とした社会福祉史
明治以降の日本で、どのような人物や、どのような実践が、社会福祉の思想や理論、関連する政策や法律、専門技術としてのソーシャルワークの成立に貢献したかを研究します。日本の社会福祉は外国から多くのものを学びましたが、日本の伝統や土壌、文化との接触による変容も看過できません。戦前期も含めて社会事業・社会福祉に関する人物研究のある程度の蓄積はありますが、まだ途上です。そうした状況に鑑みて社会事業・社会福祉の展開に寄与した人物群を研究していきます。

修士論文作成を目的にした研究演習です。学術誌への投稿を目指して論文を執筆するイメージです。私自身の関心は、近代以降における日本の社会福祉史にありますが、学術論文執筆に際して、その研究テーマにどのように取り組んでいくか、一緒に討論していくことは可能でしょう。学術論文の執筆には、遵守するべき研究倫理、論文執筆や投稿のマナー等があります。研究テーマの設定と同じくらい重要なことです。修士論文の作成過程は、そういった研究文化を学ぶ過程でもあります。そういう過程を通して教員と論文作成者が、信頼関係を築けることを祈念しています。

津田 耕一

【研究テーマ】
・障害者の自立生活支援
・キャリアバスに基づいた福祉人材育成

障がいのある人々の生活支援をどう展開していくべきかを社会福祉援助に基づいて検討していきます。近年障害福祉分野では”利用者主体”が強調されていますが、利用者主体に基づく支援とはどのようなものか、どうあるべきかについて、基礎理論を学び実践を模索していきます。単に専門知識を理解するだけでなく、実際にどう応用すべきかといった実践に根ざした研究を学生と教員が一体となって行っています。

都村 尚子

【研究テーマ】
・認知症高齢者に対する真の利用者中心の支援に関する研究
・自殺防止対策トレーニング
・高齢者を介護する家族支援

エビデンスが重視される研究の世界において、数値化しにくいものに対していかに客観性を持たせるかという要請から、質的研究の構築がなされてきました。個人の幸福を目指す社会福祉において、実践の効果が幸福の増大であるとすれば、いかにしてそれを明確にするか、共に学びましょう。

御前 由美子

【研究テーマ】
・精神障害者の就労・生活支援に関する研究
・ソーシャルワークのプロセスに関する研究

基礎的な理論の学びをふまえたうえで、利用者を中心とすることや支援するとはどういうものなのかということを深く考えつつ、実践に役立てることを目指した研究を行います。そして、けして研究のための研究にならないように留意して、修士論文の作成を進めていきます。

島田 恭仁

【研究テーマ】
・知的障がい児者の学習支援に関する研究。
・発達障がい児者の読み書き・コミュニケーション支援に関する研究。

知的障がいや発達障がい(LD・ADHD・ASD等)のある児童の特別支援教育について、教育と福祉との連携という視点を踏まえて研究演習を行います。知的障がいに関しては、知的発達に遅れのある児童の心理特性に適した学習支援の在り方を追求します。発達障がいに関しては、知的発達に遅れがないにも関わらず、学習面や社会性の面で困難を抱えている児童に適した、読み書きやコミュニケーションの支援の在り方について追求します。

小口 将典

【研究テーマ】
・保育ソーシャルワーク研究(子育て支援・家庭支援)
・アセスメント(生活理解の方法・分析)ツールの開発
・支援「拒否」などのセルフ・ネグレクトケースへの介入
・福祉・保育の人材養成に関する研究

福祉の研究は誰のための、何のための研究なのか。それは、生きることの困難さの渦中にいる人たち、そしてその人たちの困難さを共に抱え、苦闘しながらも支えている現場のワーカーたちに実践の手がかりと希望を示すものでなくてはなりません。ソーシャルワークの実践は目には見えないスキル(価値・知識・技術)で成り立っています。その見えないソーシャルワーク実践(臨床)と理論をつなぎ、わかりやすい「ことば」で論文にまとめることを目指します。修士論文の作成を通して、研究者としての一連の作法を学ぶと共に、ソーシャルワークの実践家としての成長を期待して指導していきます。



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