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吃音とは?言語聴覚士が関わる吃音症の治療や訓練
  • 2023.03.20

 将来は、誰かの役に立つ仕事がしたいと考えている高校生の方。

 また、これまで自分自身や家族や身近な人が医療機関でお世話になった経験から、医療関係の職業に興味があるという高校生のみなさん。

 みなさんは、吃音(きつおん)という障害を聞いたことはありますか?

 インターネットで配信されているドラマや動画を見る中で吃音(きつおん)という障害があることを知り、どのような症状なのか?もう少し詳しく知りたいと思った方もおられるのではないでしょうか。

 今回は、「吃音がどのような症状なのか?」についてお伝えしたいと思います。

目次

吃音(きつおん)とは?吃音について詳しく知ろう

 まず、吃音とはどのような症状なのかを見ていきましょう。
 
 吃音とは、話す際に、なめらかに言葉が出てこない状態を言います。
 
 例えば、話す際に言葉に詰まったり、一部の音を繰り返したり、引き伸ばしたりするなどの症状があります。

 どのような症状なのか、具体的に見ていきましょう。

吃音とは、どんな症状?

・一部の音を繰り返す:連発(繰り返し)
 
 話す時に、音や言葉の一部を繰り返す症状です。
 
 「わ、わ、わたし」「ぼ、ぼ、ぼくは」

 というように、言おうとする言葉の最初の音(語頭音)を繰り返すことが多くある症状です。
 
 
・一部の音を引き伸ばす:伸発(引き伸ばし)
 
 話す時に、一部の音を引き伸ばす症状です。
 
 「わーーーたし」「ぼーーーくは」

 など母音を引き伸ばす傾向がみられやすい症状です。
 

・言葉が詰まって、出にくい:難発(ブロック)
 
 思ったように言葉が出せずに詰まってしまう症状です。
 
 「......わたし」「......お、おはよう」
 
 話す時に、口や舌、喉、体に力が入ったり、体の一部が勝手に動いたりする症状もあります。

 
 次に、吃音の原因や症状が出る時期について見ていきたいと思います。

吃音の原因とは?

 吃音の原因はまだはっきりと特定されておらず、不明とされています。
 
 幼児期に吃音の症状が発生することが多いものの、その多くは自然に消えていきます(自然治癒)。

 学童期や成人期まで症状が残る方は、症状が持続する傾向がみられます。

吃音には種類があることを知ろう

 身体・認知・言語能力などが発達する幼児期(2歳〜5歳)に発症する吃音を発達性吃音といいます。
 
 吃音の約9割を占めるのが、発達性吃音といわれております。
 
 
 また、10代後半や成人してから外的または心理的な要因(※)で発症する吃音を獲得性吃音といいます。
 
 ※神経性の疾患や脳の損傷、心的外傷やトラウマ、ストレスなど
 
 同じように、外的な要因で発症する言語障害について知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
 

吃音のリハビリを担当する言語聴覚士(ST)

 吃音の治療方法は確立していません(トレーニングプログラム等の検討が行われています)。

 吃音の症状の約8割は自然治癒しますが、約2割のお子さんは幼児期を過ぎても症状が続くといわれています。

 吃音のある当事者の方はもちろん、支援するご家族も不安を感じています。

 吃音について当事者とその周囲の方々が正しく理解できるように、吃音に関する考え方や対応方法を伝えること、お悩みやお困り事を少しでも軽減できるようにサポートすること、は言語聴覚士の重要な役割です。

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