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言語聴覚士と看護師は医療現場でどう連携するの?現場での関わりについて
  • 2022.09.16

 医療系の仕事に就いて、人の役に立ちたいと考えている高校生の方や、看護師やリハビリ職に興味がある方は多いのではないでしょうか。

 今回は、リハビリ職の中の言語聴覚士と看護師の連携についてお伝えしたいと思います。
 言語聴覚士と看護師は、医療現場でどのように関わって連携しているのでしょうか?患者さんの治療において、どのような役割があって連携しているのかをみていきましょう。

目次

言語聴覚士と看護師の連携を知るために"チーム医療"について知ろう

 言語聴覚士と看護師の現場での連携や関わりについて知るにあたって、まず"チーム医療"について学んでいきましょう。

チーム医療とは?

 医療に関する各専門職がチームとして連携しながら協力し、患者さんやそのご家族を治療・ケアすることです。
 多角的かつ専門的な立場からアプローチすることで、患者さん中心の医療を実現しようとするものです。

チーム医療が生まれた経緯

 従来は、患者さんへの治療や医療ケア内容を主治医が決定して、各専門職に指示していました。
 医療が発展し高度化することで、患者さんの多様な問題に応えるには従来のアプローチでは難しくなってきました。

 そこで、それぞれの医療従事者がお互いに意見や情報を交換しながら、チームで連携・協力しケアすることで、最善の医療を施す"チーム医療"という考え方が生まれました。

 2000年頃から生まれたこの"チーム医療"の考え方は、最近は病院だけではなく、地域医療においても実践する動きがでてきています。

言語聴覚士と看護師~それぞれの役割や違い~

 現代の医療において重要な"チーム医療"について知ることができました。

 次に、チームで連携、協力し最善の医療を行う現場の中で、言語聴覚士と看護師はどのように連携し患者さんに関わっているのでしょうか。言語聴覚士と看護師、それぞれの役割や違いについてみていきましょう。

言語聴覚士と看護師の役割

 言語聴覚士の役割は、言語・音声・嚥下(口から安全に食物や水分を飲み込むこと)・聴覚にかかわる機能に困難がある方に、専門的な知識や手技を用いたサポートを提供し、自分らしい生活を構築できるように支援する仕事で、「話す」「聴く」「食べる」といった生活していく上での喜びにつながる機能のリハビリを行うことです。

 看護師の役割は、患者さんの診察の補助、入院生活のサポートや看護、救急センターや手術室での診療補助などを行うことです。多方面で患者さんをサポートするために、患者さん個人の状態を包括的に把握することも看護師の大切な役割です。

言語聴覚士と看護師の役割の違い

 言語聴覚士と看護師の役割を知ることで、言語聴覚士は専門性、つまり言語・音声・嚥下・聴覚にかかわる機能に特化して患者さんをサポートし、看護師は包括的に患者さんに関わるという役割の違いがあることがわかりました。

言語聴覚士と看護師の現場での連携について

 言語聴覚士と看護師の役割やその違いについて知ることができました。

 次に、言語聴覚士と看護師がどのように医療現場で連携しているのか具体的にみていきましょう。

言語聴覚士と看護師の連携

「話す」「聴く」「食べる」といった機能に関しては、言語聴覚士が専門的に患者さんの状態を把握し、その情報を看護師に提供したり、情報共有したりすることで連携を図っています。

 言語聴覚士は、医師や看護師をはじめ、理学療法士、作業療法士、栄養士など様々な専門職と連携しながら専門性を発揮し、より良い医療の実現をサポートします。

具体的にはどのような連携をしているの?

  • 日々の患者さんの「口から安全に食べる機能」の評価や「安全に食べる」ことを目的とした介入時の連携(摂食嚥下機能のリハビリ)
  • 訪問診療現場における連携(口腔機能維持や誤嚥予防のためのリハビリ)
  • 言語・音声・聴覚にかかわる機能に困難がある患者さんとの有効な意思疎通手段の提案や助言
など、ごく一例ですが、このように言語聴覚士や各専門スタッフが医師や看護師と連携することで患者さんへの治療やケアの質も高まってきます。

 言語聴覚士を目指している方は、看護師や他職種の仕事を理解することも大切です。将来、医療の現場で活躍するために目指す職種以外の医療職についても学んでいきましょう。

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