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特別支援教育のやりがいって? 教員の仕事の魅力を紹介
  • 2025.10.24

 特別支援教育は、障害のある幼児・児童・生徒 の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点で、一人ひとりの教育的ニーズを把握してその持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善・克服するために適切な指導及び必要な支援を行うものです。また、特別支援教育は、知的な遅れのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児・児童・生徒 が在籍する全ての学校において実施されるものです。特別支援教育について学び、理解しておくことで、幼稚園や小・中・高等学校など、どんな環境で先生をする際にも必要な資質や能力が身につきます。また、特別支援教育に関わる からこそ感じるやりがいもあります。ここでは、特別支援教育のやりがいやその魅力について解説します。

目次

1.特別支援学校・学級の先生と通常学級の先生は何が違うの?

 令和4年に公表された文部科学省の調査では、全国の公立小・中学校の通常学級に、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD) 、学習障害(限局性学習症、LD)などの発達障害の可能性のある児童・生徒が8.8%いることが報告されました。10年前の前回調査より2.3ポイント増で、35人学級なら3人の割合になります。
 文部科学省では、幼稚園、小・中・高等学校などにおいても障害のある児童・生徒が在籍していることから、障害のある児童・生徒に対する教育である特別支援教育は全ての教員の責務であり、個々の障害に配慮しつつ通常学級でも支援や配慮を行うことを原則としています。しかし、児童・生徒の状態や個別のニーズに対応するため、特別支援学校、小・中学校の特別支援学級、小・中・高等学校などにおける通級教室など、通常学級以外の特別な教育の場も設けられています。
 このように教員になれば、必ず特別支援教育に従事することになりますが、通常学級と特別な教育の場では具体的にどんな違いがあるのでしょうか。

特別支援学校と特別支援学級について知ろう

 特別支援学校は、障害のある児童・生徒に対し、幼稚園、小学校、中学校または高等学校に準ずる教育を行うとともに、障害による学習上または生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識・技能を授けることを目的に設置されている学校です。対象となる児童・生徒は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者、病弱者(身体虚弱者含む)などです。

 特別支援学級は、障害による学習・生活上の困難を克服するために小・中学校に設置されている学級のことで、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害の児童・生徒が対象となります。

 特別支援学校と特別支援学級の最大の特徴は少人数教育です。児童・生徒の状態や個別のニーズに合わせたきめ細かい指導が行われます。特別支援学校は特別支援学級よりも障害の重い児童・生徒に対応できるよう、専門性の高い教員と設備を備えた学校で、地域の特別支援教育のセンターとしての役割を担っています。

 現在の特別支援教育以前の制度では、障害のある児童・生徒が学ぶ場所は、それぞれの障害の程度に応じて教育委員会が決定していました。特別支援教育では、障害の状態、保護者・本人・専門家の意見、学校や地域の状況などから総合的に判断されます。また就学時に小学校6年間、中学校3年間の学びの場が全て決まるのではなく、児童・生徒の発達の状態や学校の環境を考えながら柔軟に転学・転校することが可能です。また、それを容易にするため、全ての学びの場での学びの連続性が求められています。

▶参考:文部科学省「特別支援教育の概要」「特別支援教育の現状」

通常学級の先生と特別支援学級・特別支援学校の先生との違いはこんなところ

 特別支援学校や特別支援学級では、それぞれの児童・生徒が抱える課題が違うため、教科のことだけでなくそれぞれの障害についての基礎知識や支援スキル、障害者福祉に関する基礎知識や人権感覚、子どもへの対応力、カウンセリング力なども求められます。個性の異なる子どもたち一人ひとりとしっかり向き合う必要がある分、それぞれの成長を強く感じる機会も多いと思います。

特別支援教育はやりがいの大きな仕事!

 障害などがあって学習や生活が困難な児童・生徒を担当して指導・支援する特別支援教育では、最初はできなかったことができるようになっていく児童・生徒の成長を目にする機会も多くあります。特に少人数のクラスで子どもと向きあって指導する特別支援学校や特別支援学級では、児童・生徒たちと近い目線で一緒に課題に取り組み、乗り越えていくことができます。間近で一人ひとりの成長を感じられることは、大きなやりがいとなるでしょう。

2.特別支援教育を学ぶメリットとは

 特別支援教育は簡単な仕事ではありませんが、仕事をするなかで感じるやりがいの大きさなど、この仕事ならではの魅力もいろいろとあります。具体的にはどんな良さがあるのか見ていきましょう。

児童・生徒の成長を強く感じる機会が多く、やりがいがある

 前段でも触れましたが、特別支援教育では児童・生徒一人ひとりと深く関わる場面が多く、その成長を目にする機会も多くなります。最初は苦手なことも多い児童・生徒が、苦手を克服してできるようになった時の喜びはひとしおです。先生として日々の生活や学習面で成長する児童・生徒の姿を近くで見られることは、働くなかで大きなやりがいになります。

先生という仕事に大切な知識やスキルを磨くことができる

 最近では、通常学級で障害の有無に関わらず一緒に学ぶインクルーシブ教育が推奨される世界的な流れもあり、どの学校であっても先生という職をめざすのであれば、特別支援教育についての知識は基本的な資質・能力になりつつあります。児童・生徒の発達、身体の状態、心のケアについて理解しておくことは、幼稚園から高校まで、どの教育段階でも役に立つ知識です。

 特別支援教育の「専門知識」や「スキル」を身につけたうえで教育現場で働くことは、より的確かつ効果的な支援の提供につながり、やりがいをもって働く糧にもなるでしょう。

3.特別支援教育を学ぶには?

 特別支援学校の先生になるためには、小・中・高等学校の教員免許状と併せ、原則として特別支援学校教諭免許状の取得が必要です(※特別支援学級については、特別支援学校教諭免許状がなくても担当する可能性があります)。
 そのためには、発達障害を含め特別支援学校の対象となる各種の障害(視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病弱)について学ぶ必要があります。また、採用試験も特別支援学校教員採用枠で実施されます(小・中学校の枠で実施する自治体もあります)。

▶特別支援学校教諭になるには

ここでは、特別支援学校教諭だけでなく、教員をめざすのであれば身につけておきたい特別支援教育の知識や技能について解説します。

特別支援教育についての知識や技能を身につけよう

 特別支援学級は通常学級と同じ学校内にあり、その学校に勤務する教諭の誰でも担当する可能性があります。現在、特別支援学級を担当するには特別支援学校教諭免許状があることが推奨されているものの、免許状がなくても担当できることになっているからです。通級指導教室の担当も、特別支援学級の担任の経験者から選ばれるのが一般的です。

▶参考:文部科学省「特別支援教育に係る教育職員免許状について」

 また、文科省では、教員に採用されたら10年以内に、特別支援学級担任の経験を積むことを推奨する方針を打ち出しており、先生になってすぐに特別支援学級の担任になる可能性もあります。特別支援教育について学び、実習などでスキルを身につけておけば、どの学級を受け持つことになっても、自信をもって子どもたちと接することができるでしょう。

▶参考:文部科学省「特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議 報告」

時代に合った教育方法を知ろう

 通常学級でも特別なニーズのある児童・生徒の支援に取り組むことの必要性が、近年の改正で学習指導要領本文へ追加記載されました。今後、特別支援教育の知識や支援のスキルが現場でますます必要とされていくと考えられます。そういった教育現場の変化にも、柔軟に対応できるように意識しておくことも必要です。

多様性に対応できる人になろう

 発達障害の児童・生徒だけでなく、今の社会では「多様性」への理解が求められています。また特別支援教育についての知識は、幼稚園なども含め、あらゆる教育の場や福祉施設で働く際にも活かせるものであり、将来的には学校教育の場に限らず、医療・福祉の現場やその他の業種でも必要とされる知識を持つ人材となリ得ます。特別支援教育を学ぶことは、将来の職業や人生の選択肢を広げることにもつながるでしょう。

特別支援教育を学ぶなら関西福祉科学大学教育学部教育学科へ!

 特別支援教育は、児童・生徒に寄り添い、しっかりと向き合って教育に携わることで、大きなやりがいを感じられる仕事です。また、現場で学べることも多く、自分も児童・生徒と一緒に成長していると実感できるでしょう。

 関西福祉科学大学 教育学部 教育学科では、小学校教諭一種免許状、幼稚園教諭一種免許状、特別支援学校教諭一種免許状(知・肢・病)もしくは保育士資格のいずれかの最大3つの免許・資格の取得をめざすことができます。もちろん小学校だけの免許取得も可能ですが、併せて特別支援学校教諭の免許状を取得すると、小学校と特別支援学校で職業選択の可能性が広がります。
 特別支援学校教諭の免許状を取得すると、自治体によっては小学校の教員採用試験で特別加点を受けられる場合があります。
 小学校だけの免許取得をめざす場合も、特別支援学校の専門科目を選択科目として履修することで、小学校における特別支援教育の知識を深く学習することができます。
 関西福祉科学大学教育学部教育学科は、授業以外の教員採用試験対策講座など就職面でのサポートも充実しています。

 保育士・幼稚園教諭を志望する学生も、特別支援学校の専門科目を選択科目として受講することが可能で、発達障害を含めた障害のある子どもたちにもしっかりと対応ができる 保育士、幼稚園教諭をめざすことが可能です。

 特別支援教育を学ぶなら、ぜひ関西福祉科学大学 教育学部 教育学科のオープンキャンパスを訪れてみましょう。

▶関西福祉科学大学オープンキャンパス

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