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小学校教諭(小学校の先生)になるには?今求められる能力や免許状などを解説!
  • 2025.06.19

 小学校の先生になるために、必要なこととはなんでしょうか?

 子どもとふれあうのが好き、人に教えることが好きという気持ちがあって、小学校の先生をめざす人も多いことでしょう。
 本記事では、小学校の先生になる夢を実現するために必須のステップとは何か、どのような人が小学校の先生に向いているのかなどを解説します。

目次

1.小学校の先生になるには?

 小学校の先生になるためには、免許状はもちろん、今の時代の教育に必要とされる知見や技術を身につける必要があります。
 小学校の先生になるためにどんな学びが必要なのか、どのような流れで小学校の先生になれるのかなど、ここからは、小学校の先生になるための過程について具体的に見ていきましょう。

小学校教諭免許状が必要

 小学校の先生になるためにはまず、小学校教諭免許状を取得します。大学や短大など、免許状を取得できる教育機関でしっかりと学ぶことが必要です。

 大学では小学校教諭の一種免許状、短大では二種免許状を取得することができます。最近では短大に比べ4年間しっかりと学べる大学への進学を選ぶ人が多く、令和4年度の「学校教員統計調査」では、小学校教諭の約9割が大学卒との統計結果が出ています。

▶参考:文部科学省「学校教員統計調査 -令和4年度(確定値)結果の概要-」

 教科が定められている中学校、高等学校の教諭免許状は、教育学部以外の学部の学生でも教職課程を履修することで取得できます。しかし小学校教諭免許状の場合は、教育学部などに設けられた初等教育の専門課程で学ぶことが必要です。所定の単位を修得して卒業したあと、都道府県の教育委員会に申請することで免許状が交付されます。

先生になるまでの流れ

 教員免許状を取得したら、先生になるための採用試験を受ける必要があります。実際には免許状取得見込みとして、大学4年生の時に教員採用試験を受験します。なお、令和7年度から、3年生からの受験を認める自治体が増えてきました。そのため、学業やサークル活動、ボランティアなどに忙しい学生生活の中で、採用試験のための勉強をしなくてはなりません。
 現役合格のためには、面接や実技を含めた教員採用試験 対策講座や、模擬試験など大学のサポートを活用することが大切です。入学後にどれだけのサポートが受けられるかも大学選びの重要な条件の一つと言えるでしょう。また、最近は教職に対する意欲や資質を評価する上で、小学校などでの学校ボランティアの経験が重視される傾向が強くなっています。小学校の先生を めざすなら、大学 1、2年生のうちから 学校ボランティアなどの経験を積むことが望ましいでしょう。
【公立学校の先生になる場合】
 学校には、公立学校と私立学校の2種類があり、公立学校の場合は都道府県や政令指定都市単位で実施される教員採用試験に合格することが最初の目標になります。
 採用試験を受けずに講師として働く道もありますが、待遇や仕事の内容は限られます。
 採用試験に合格した人は、必要な採用手続きを経たうえで、各自治体(小中学校の場合は市町村)での欠員状況などによって勤務先が決まり、最終的にどの予定者が採用されるかが確定します。各市町村の教育委員会に採用された時点で初めて、小学校の先生としてのキャリアがスタートすることになります。なお、採用試験に不合格だった人の多くは講師募集に応募して、教壇に立ちながら次年度の合格を めざして勉強しています。

【私立学校の先生になる場合】
 一方、私立学校の先生になる場合は、毎年募集がかかる公立学校とは異なり、欠員が出た時だけ募集することもあるため、希望する学校の採用情報を見逃さないように注意しなくてはなりません。
 募集人数が数人程度というケースもあり、狭き門ではありますが、トライする価値はあるでしょう。というのも、私立にはユニークな特色を持つ学校も多く、校風や教育方針に共感できる学校を見つけやすいからです。共感できる学校であれば、さらにやりがいをもって先生という仕事に取り組めるのではないでしょうか。なお私立学校の場合は全て講師として採用し、一定期間の勤務の後に専任教諭として再契約する学校もあります。

こんな人が先生に向いている

 教員免許状さえあれば誰でも学校の先生になれる、というわけではありません。
 子どもの人格、人間性の形成に大きな影響を与えるのが学校であり、その最初のステップである初等教育では、子どもをしっかり導いてくれる先生であってほしい、と多くの保護者が望みます。つまり、子どもに勉強を教えるだけでなく、子どもの発達段階に寄り添った適切な対応や指導が求められるのです。

 すべての子どもたちに公平に接し、教育者として子どもたちの心に寄り添うようなコミュニケーションができる人こそ、小学校の先生に向いています。子どもの質問に答えたり一緒にスポーツを楽しんだりするなど、優しく接することはもちろん、友達を傷つけてしまった子どもの対応など、ときには厳しく指導する姿勢も必要です。
 また、どんな場合にも重要なのが、子どもたちの心をフォローできる包容力です。子どもの気持ちを汲み取って指導することを忘れなければ、子どもたちとも心を通わせることができるでしょう。

2.小学校の先生の仕事とは?

 小学校は、子どもたちが一日の大半を過ごす場所です。子どもたちに寄り添うことで、勉強を教えるだけでなく、より良く生きるために導き、1~6歳の保育・幼児教育から学校という学びの場へ迎え入れ、中学校以降の中等・高等教育の場へと送り出す役目を持つのが、小学校の先生です。
 ここからは、小学校の先生の具体的な仕事内容について見ていきましょう。

学習の指導

 国語、算数、生活、理科、社会、体育、道徳など、小学校の先生が教える教科は多岐にわたります。
 音楽や図工など一部の科目では専門(専科)の先生が教える場合もありますが、基本的に全科目を担当します。

 文科省で定められた学習指導要領をもとに、一年間の学習スケジュールを組み立てたり課題の採点を行ったり、通知表を作成したりと指導の内容は決して少なくありません。大変なようにも見えますが、子どもたち一人ひとりの成長を直接感じることができ、やりがいが多い仕事です。

学校行事の運営

 運動会や学習発表会、私立学校ならクリスマス会など、学校をあげて行う大きな行事が一年に数回あります。それを運営するのも先生の仕事です。

 大きな行事では、子どもたちの家庭との連絡も欠かせません。連絡を取りまとめて管理するのも、大事な仕事の1つです。

生活面の指導

 家族以外の人との集団生活では、協調性や上手にコミュニケーションをとることが欠かせません。学校生活の中でより良く過ごしていくにはどうしたらいいのか、という生活面でのサポートも、小学校の先生の重要な仕事の1つです。

 また、人に思いやりを持って接したり、感謝の気持ちを大切にしたりするなど、社会の中で生きていくための基本ルールである道徳面についても指導・支援していきます。

課外活動

 学校によっては、特別活動の時間として実施している子どもたちのクラブ活動を支援することも先生の仕事の1つです。
 通常の授業も大切ですが、クラブ活動で自分の好きなことや興味を持てることを探すのは、心身の健やかな成長を促進させることに役立ちます。それをサポートするのも先生の役割です。

PTA活動

 直接的な仕事ではありませんが、PTAの活動に関わる機会も多くあります。PTAとは、先生と家庭が協力して、子どもたちを見守るための活動を行う組織です。
 先生の関わりとしては、保護者が普段は見ることのできない学校生活の様子を伝えたり、清掃ボランティアやお祭りへの参加などを取りまとめたりと、PTA活動を支援するための作業が大半です。

3.これからの教育現場で必要になる知識は?

 社会の変化に伴い、教育現場で求められる知識も変化しています。子どもたちに、新しいテクノロジーや教育方法を取り入れた教育を行うことは、社会や人生の課題を自分で解決する力を養うことにつながります。
 ここからは、今後必要になる新しい教育の動向について見ていきましょう。

プログラミング

 2020年から、小学校でもプログラミング教育が必修化されました。
情報化が進みグローバル化がますます加速すると言われている昨今の社会状況では、コンピューターの利用が欠かせません。そのため、コンピューターによって何ができるのか、プログラムとは何かなど、コンピューターを活用するうえでの知識や概念を初期の児童教育で養うことは、コンピューターを主体的に利用する方法を考える基礎となります。
 コンピューターを使うことが目的ではなく、コンピューターを使ったプログラミングを通して、論理的な思考力を身につけ、中学校に進学してから合理的にプログラミングスキルの習得を進められるよう準備することが、小学校でのプログラミング教育の狙いです。
 小学校の先生にエンジニアレベルの知識が必要なわけではありませんが、子どもに質問されたら簡単なことは答えられる程度の基礎知識を身につけておく必要があります。

外国語

 同じく2020年より、小学校3・4年生の学年を対象に外国語活動が、小学校5・6年生には外国語科が新しい教育内容に加わりました。子どものうちから外国語に親しみを持つことができれば、大人になってからも異なる言語や文化を持つ人々と交流しやすくなります。つまり、早期の外国語教育はグローバル化に対応できる人材の育成につながります。
 英語がネイティブレベルである必要はありません。子どもと一緒に楽しみながら英語を学ぶ、というスタンスで授業に臨める先生になることが重要です。先生と一緒に外国語学習を楽しむことは、中学校から本格的に始まる外国語学習のための基礎となります。また、子どもたちだけではなく、自らも教員としてのキャリアをさらに深められるでしょう。

特別支援教育

 文部科学省が2022年に発表した調査結果によると、小学校・中学校における通常の学級に在籍する学習障害(LD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム(ASD)などの発達障害の可能性がある児童生徒の割合は8.8%でした。35人学級であれば1クラスあたり3人程度いることになります。また、性別や人種、障害の有無などの多様性を尊重し共生をめざす インクルージョンの考え方の広まりもあり、重い障害があっても通常学級で学ぶ児童生徒も増加しています。
 通常学級の担任には、教員としての基本的な資質・能力に加えて、障害のある児童生徒一人ひとりの状態やニーズに応じた指導や合理的配慮を行うために、特別支援教育の知識や技能が求められています。
 一方で、小中学校の特別支援学級で学ぶ児童生徒も増加しています。文部科学省は、新任教員が採用後10年目までに、小中学校の特別支援学級や特別支援学校で複数年教える経験を積むよう求める通知を、各都道府県の教育委員会に出しています。
 特別支援教育に関する知識や技能は、これからの小学校の先生にとって必須の資質・能力と言えるでしょう。

コミュニティスクール

 近年注目を集めているのが、コミュニティスクール(学校運営協議会制度)です。先生と各家庭の他に地域の住民も参加して運営を行う学校のことで、今では全国でほぼ半数の小学校が取り組んでいます。
 イベントや地域行事を通して、子どもの成長と地域への愛着を持つことが、コミュニティスクールの目的です。郷土料理教室や畑仕事などを地域のシルバー世代から学んだり、地域にある観光資源を使った旅行プランの開発やツアーを行ったりと、地域によってさまざまな取り組みが行われています。
 今後、先生に求められる人材像の1つとして、地域の発展を担っていく世代を育成することも重視されるでしょう。

STEAM教育

 STEAMとは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術・リベラルアーツ(Arts)、数学(Mathematics)の5領域の頭文字を合わせた造語です。多角的な学習を通し、新しい好奇心や論理的思考力、発想力、言語化能力、高い教養などを身につ けるための教育方法です。現在の勢いで高度IT化社会が進めば、AI(人工知能)が人間に取って代わり産業の構造が大きく変化することが予測されています。STEAM教育は文理融合型の教科横断的な学びであり、IT化だけでなく自然災害や経済問題、国際問題など予測不可能な社会を生き抜く力を養成し、創造力を持って変化に対応できる力を育成することをめざしています。新しい世代の人材育成を目的としたSTEAM教育は、今後さらに注目されることが予想されます。小学校の先生にとって、STEAM教育の知識はますます重要になるでしょう。

GIGAスクール構想

 多様化する教育現場に対応するための施策の1つが、GIGAスクール構想です。学校の通信システムを大容量回線でつなぎ、児童1人に1台の学習用の端末を配備することでICTを利用した教育を行います。コンピューターが生活に浸透する以前のように、すべての子ども に一律同じ教育を行うだけでは、これからの社会の変化に対応しきれないことが予想されます。教育現場にICTやAI(人工知能)を導入することで、子どもの視点や好奇心がより広がり、知識を深める助けになることでしょう。小学校の先生をめざすのであれば、ICT機器を活用する能力や児童がタブレットを使用する際に指導する能力など、授業スキルとしてのICT活用能力を、身につけることが求められています。

小学校教員をめざすなら、時代に合った教育方法を学べる関西福祉科学大学へ!

 この記事では、小学校の先生になるための方法や必要な免許状などについて解説しました。
 社会の変化に対応できるよう、教育現場の今後の見通しも目まぐるしく変わるなか、小学校の先生が子どもたちに教え、伝えるべき内容も進化しています。
 常に自己研鑽を続け、時代の変化にも柔軟に対応できる姿勢が、これからの先生の仕事には必要になります。簡単な仕事ではありませんが、子どもたちの成長を見守り次の学びの場に送り出すことは、先生自らの成長にもつながり、何より大きなやりがいを感じられることでしょう。

 関⻄福祉科学大学教育学部教育学科では、小学校教諭一種免許状・幼稚園教諭一種免許状・特別支援学校教諭一種免許状(知・肢・病)もしくは保育士資格のいずれかの最大3つの免許状・資格取得をめざすことができます。授業だけではなく、1年生から参加できる教員採用試験対策講座(筆記試験対策、実技試験対策、面接試験対策、模擬試験を含む)など就職面でのサポートも充実しています。また、近隣の自治体の教育委員会などと提携し、豊富な学校ボランティア活動の機会を提供しています。

 また、特に福祉・医療系の総合大学に設置された教育学部として、近年特に学校教育の現場で求められている特別支援教育について深く学べるのが大きな魅力です。小学校の各教科だけでなく、支援が必要な障害のある子どもたちへの適切な支援や指導法も併せて学べることは、小学校教員をめざすうえでの大きな強みとなるでしょう。小学校教員をめざすなら、ぜひ関⻄福祉科学大学教育学部教育学科オープンキャンパスを訪れてみましょう。

▶関西福祉科学大学オープンキャンパス

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