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言語聴覚士
- 突発性難聴とは
- 突発性難聴
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ある日、突然に耳が聞こえにくくなる。
突発性難聴という病名を、あなたは聞いたことがありますか?
例えば、テレビやSNSなどで、好きな歌手や芸能人が突発性難聴を発症したというニュースを見て知ったという方がいるかもしれません。
あるいは、難聴や聴覚障害がテーマになったテレビドラマや動画を見て、この病名を知ったという方は、この病気がどのような症状なのか、詳しく知りたいと思っているのではないでしょうか。
今回は、「突発性難聴がどのような症状なのか」「突発性難聴になる原因とは」「突発性難聴などの聴覚障害、難聴など『聞こえの障害』のリハビリを担当する言語聴覚士(ST)」について紹介したいと思います。
ある日、突然起こる「突発性難聴」とは?詳しくみていきたいと思います。
目次
突発性難聴とは?突発性難聴について知っていますか?
多くの場合、片方の耳(ごくまれに両耳)で難聴が起こります。
治療せずに放置してしまうと高度の難聴が残ってしまう可能性があります。
特に、働き世代の40~60歳代に多くみられる症状ですが、子どもから高齢者まで、幅広い年代で起こり得る病気です。
国内での突発性難聴の患者数は年間約7万5000人と言われており、近年は増加傾向にあるとされています。
突発性難聴の患者の3分の1の方が以前の聴力レベルまで回復しますが、片方の耳の聴力を失ってしまう人もいます。
突発性難聴とは、どんな症状なの?
突発性難聴の症状は、急に片方の耳(まれに同時あるいは異なる時期に両方の耳)で、
耳の聴こえが悪くなります。
また、耳鳴りやめまい、耳閉感(耳がつまった感じ)が生じる方が多いです。
◆耳鳴りの症状
耳鳴りの症状の種類は人によって様々です。
「キーン」という高い音を感じる症状の方、「ジー」「ゴー」という低い音に悩まされる方もいます。
脳が、難聴で聞こえなくなった音を補おうとして過剰に反応することで感じる音だと言われています。
◆めまいの症状
難聴の症状と同じタイミングで生じるめまいは、回転性のめまいで吐き気を伴うこともあります。
難聴の症状より後に生じるめまいは、ふわふわするなど、ふらつき感のあるめまいです。
◆耳閉感の症状
水の中にいるような耳がつまった感じ(耳閉感)を訴える方も多いです。
難聴の症状が生じる前に、耳鳴りやめまい、耳閉感の症状が出ることもあります。
耳鳴りやめまいの症状で検査をしたら難聴だったという場合もあります。
突発性難聴になる原因とは?
しかし、その主な原因としては、耳の奥の方にある内耳(ないじ)という場所の血流障害やウイルス感染、ストレスだといわれています。
血流障害やウイルス感染になりやすくなるのは、ストレスや仕事による過労や、睡眠不足が原因である可能性が高いと考えられています。
そのため、突発性難聴は、ストレスが原因で発症しやすい病気であるといわれています。
そのため、誰もが発症する可能性がある病気であるともいえます。
突発性難聴によく似た症状がみられる病気について
メニエール病は、回転性のめまいの発作が繰り返し起きる病気です。
また、片方の耳が聞こえにくくなったり、耳鳴りの症状が生じたりとするので、突発性難聴と症状がよく似ています。
そのため、突発性難聴と区別するのが難しい病気だといわれています。
メニエール病は、めまい、難聴、耳鳴りの症状が反復する症状が特徴です。
他にも、急性低音障害型感音難聴という病気もあげられます。
急性低音障害型感音難聴も、急に難聴の症状が出たり、耳の詰まりを感じる症状があるため突発性難聴と症状がよく似ています。
突発性難聴との違いは、めまいの症状が出ないことや、難聴の症状が低い音だけが聞こえにくくなるといった違いがあります。
突発性難聴はどのように治していくの?治療方法について
有効な治療方法はあるのでしょうか?
突発性難聴の場合、治療法は未だ見つかっていないようです。
突発性難聴の主な治療方法は、安静と薬物療法です。
・安静にすること
突発性難聴の原因がストレスや過労などである可能性が高いため、心身の安静が重要です。
安静のための入院治療をすることもあります。
・薬物療法
推測される原因に合わせて、薬が処方されます。
ウィルス感染が疑われるときには副腎皮質ステロイド薬、内耳循環障害が疑われるときには、血液の循環を改善する循環改善薬や血管拡張薬を使って治療することもあります。
このような薬を2週間程度、内服または点滴投与し、様子を見て適宜、薬剤を増減し継続するというのが突発性難聴の主な治療方法です。
突発性難聴の治療において、一番重要なことは早期発見、早期治療です。
聴覚障害、難聴など「聞こえの障害」のリハビリを担当する言語聴覚士(ST)について
言語聴覚障害には、聞こえの障害、言語機能の障害、話しことばの障害や食べたり、飲み込んだりすることの障害があります。
今回、詳しくみた突発性難聴のような、聞こえの障害では、相手の話すことばが聞き取れないためコミュニケーションに問題が生じてしまい、日常生活や社会生活に大きな支障をきたします。
このようなコミュニケーションの障がいや、耳の障がいに向き合う医療専門職として言語聴覚士という仕事があります。
言語聴覚士は、聞こえの障害だけでなく、「話す」「読む」「書く」「(安全に)飲み込む」ことを評価・訓練・支援します。
言語聴覚士が、どのような職業か、どのような仕事内容なのか詳しく知りたい方は、ぜひコチラの記事をご覧ください。
▶言語聴覚士の仕事内容を詳しく知ろう!
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この記事を書いた人

所属:入試広報部
ひつじ4号
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