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ドラマ「silent(サイレント)」の主人公 佐倉想が患う聴覚障害・難聴とは?
  • 2023.04.20

 2022年の10月から放送されていた大人気テレビドラマ「silent」を見ていた高校生のみなさんの中には、目黒蓮さん演じる佐倉想が患った聴覚障害、難聴の症状について「ドラマで初めて知った」「もっと詳しく知りたい」と思った方も多いのではないでしょうか?

 ドラマの中では、佐倉想が徐々に耳が聞こえにくくなる“若年発症型両側性感音難聴”を患い、聴力をほとんど失っていたという思いがけない現実を知るといった展開になっています。

 今回は、ドラマ「silent」に登場する“若年発症型両側性感音難聴”という聴覚障害について詳しく見ていきたいと思います。

 「どのような症状なのか?」「どのような原因なのか?」「治療法について」「聞こえの障がいのリハビリを担当する言語聴覚士」などの内容についてお伝えしたいと思います。

目次

若年発症型両側性感音難聴とは?

 この”若年発症型両側性感音難聴”というなかなか耳にしない病名。
 
 とても長い病名ですので、病名を分解してひとつずつ詳しくみていきたいと思います。
 
 まず、若年発症型という名前がついています。
 
 どのくらいの年齢の方が発症する可能性があるのでしょうか?
 
 ドラマ「silent」の中では、若年発症型両側性感音難聴を患う佐倉 想の年齢は26歳です。
 
 ”若年発症型両側性感音難聴”は、40歳未満の若年の方が発症し、両耳ともに聞こえが悪くなる(難聴)を主な症状とする病気となっています。
 
 次に、”両側性”というのは両方の耳に起こるということで理解できます。
 
 最後に、”感音難聴”とはどのような症状なのでしょうか?

感音難聴とは

 感音難聴とは、内耳やそれより奥の中枢神経系に障害がある場合に起こる難聴です。
 
 感音難聴に対して、中耳炎などの外耳・中耳疾患で起こる難聴は、伝音難聴といいます。
 
 感音難聴の特徴は、高音域の音が聞こえにくくなったり、複数の音を一度に聞いた時に特定の音を聞き分けたりすることが難しくなり、全体的に音がちいさく聞こえ、音に歪みが生じ、不明瞭に聞こえることが多いと言われています。

 そのため、音としては聞こえているが、何を話しているかが聞き取れないことが多いようです。
 
 ドラマ「silent」の佐倉想も、耳の奥にある神経に障害が起こってしまい、徐々に聞こえにくくなってしまったということが分かります。

何か原因?若年発症型両側性感音難聴の原因について

 次に、若年発症型両側性感音難聴の原因についてみていきたいと思います。
 
 何か原因で、このような症状が起こってしまうのでしょうか?
 
 若年発症型両側性感音難聴の原因は、今だ解明されていません。
 
 ただ、遺伝子の変異が原因であることが分かってきているようです。
 
 遺伝子が関与することは明らかになってきていますが、発症する原因が明らかになっていないようです。
 
 また、若年発症型両側性感音難聴が疑われる場合は、聴力検査や遺伝子検査を行います。

 遺伝子の変異が検査で見つかり、聴力検査の結果や、他の疾患の可能性がないか検査を行い外傷、薬剤、騒音、ウイルス感染などが原因ではないこと分かった場合、若年発症型両側性感音難聴と診断されます。
 
 ドラマ「silent」の中でも、佐倉 想が高校卒業のころに耳に異変を感じるようになり、母親と病院に行き遺伝性の可能性があると診断されていました。

若年発症型両側性感音難聴はどんな症状?治療法は?

 続いて、若年発症型両側性感音難聴はどのような症状なのかについてみていきたいと思います。
 
 若年発症型両側性感音難聴は、40歳未満で発症して両耳ともに、難聴が徐々に進行していきます。
 
 ドラマ「silent」の中でも、佐倉 想は高校卒業のころから徐々に耳が聞こえにくくなり、聴力をほとんど失います。
 
 先述の若年発症型両側性感音難聴の原因についてでもお伝えしましたが、原因となる遺伝子の変異、異常によって症状(進行の速さ、聴こえ方など)も違ってくるようです。
 
 また、症状の進行に伴って、めまいや耳鳴りなどの症状が出る事も多くあり、日常生活に大きく影響する場合もあります。
 
 そのため、若年発症型両側性感音難聴は難病に指定されています。
 

若年発症型両側性感音難聴の治療法は?

 また、若年発症型両側性感音難聴にはどのような治療法があるのでしょうか?
 
 現在、若年発症型両側性感音難聴の症状を治す有効な治療法はまだ確立されていないようです。
 
 進行度合いや、症状に応じて補聴器や人工内耳を用いた聞こえを補う治療が行われています。

聴覚障害、難聴など「聞こえの障害」のリハビリを担当する言語聴覚士(ST)について

 今回は、ドラマ「silent」に登場する若年発症型両側性感音難聴について、詳しくお伝えしました。
 
 若年発症型両側性感音難聴のような聴覚障害、難聴の症状は言語聴覚障害といわれています。
 
 言語聴覚障害には、聞こえの障害、言語機能の障害、話しことばの障害や食べたり、飲み込んだりすることの障害があります。
 
 今回、取り上げた若年発症型両側性感音難聴のような聞こえの障害では、相手が話すことばが聞き取れないためコミュニケーションに問題が生じてしまい、日常生活や社会生活に大きな支障をきたします。
 
 そのような聞こえの障害のリハビリを担当するのは、「話す」「聞く」「読む」「書く」ことを評価・訓練・支援するリハビリの専門職である言語聴覚士です。
 
 ドラマ「silent」を見た高校生のみなさんは、コミュニケーションの大切さを改めて感じた方も多いと思います。
 
 「話す」「聞く」「読む」「書く」といったコミュニケーションのリハビリの専門家である言語聴覚士が、どのような職業か、どのような仕事内容なのか詳しく知りたい方は、ぜひコチラの記事をご覧ください。
 

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