言語聴覚士の魅力・やりがいについて
  • 2022.12.08

 言語聴覚士を目指している高校生の方にとって、仕事の内容はもちろん、やりがいや魅力についても興味や関心があるのではないでしょうか。

 話す、聞く、食べる、のスペシャリストである言語聴覚士として活躍していきたいと考えている高校生のみなさんに、どんな時に言語聴覚士の仕事のやりがいを感じるのか?言語聴覚士の仕事の魅力とは何か?といった内容をお伝えしていきたいと思います。

目次

言語聴覚士の仕事のやりがいについて

 言語聴覚士は「話す」「聞く」「食べる(安全に飲み込む)」といった機能に問題を抱えている患者さんに対して、機能の改善や維持を目標として訓練や支援を行うスペシャリストです。
 
 そんな言語聴覚士の仕事のやりがいは、どんな時に感じるのでしょうか?

機能改善訓練の成果が出た時

 言語聴覚士は、日常生活の中で、ごく自然である「話す」「聞く」といったコミュニケーションや「食べる(安全に飲み込む)」ことなどに携わります。
 患者さんと対面して支援を行い訓練の成果が出た時、この「できて当たり前」と思われがちな機能の大切さと、それが失われてしまった時の大変さに日々、接する仕事でもあります。それゆえに、訓練や支援の効果がみられた時には、患者さんの喜びや達成感に間近に寄り添うことができ、やりがいを感じることができます。

専門性の高い支援ができること

 言語聴覚士の仕事は、高次脳機能障害、嚥下障害、認知症といった様々な症状の方に対して治療・機能改善のための訓練を行います。患者さんに合った訓練方法を考えたり、チーム医療で他職種の方とコミュニケーションを取りながら言語聴覚士の専門分野で活躍することができるのも、やりがいを感じるポイントです。
 
 現状、言語聴覚士は理学療法士や作業療法士に比べて有資格者が少なく、職場によっては、その施設内で言語聴覚士が1人ということもあります。
 そのような職場では、専門性が高く、貴重な専門家として、周囲から頼られる存在にもなります。

社会復帰に向けてのサポートができた時

 言語聴覚士は、「話す」「聞く」「食べる(安全に飲み込む)」といった機能改善の訓練やサポートを通して、患者さんの社会復帰に向けた支援や生活が豊かになるための支援を行うことができる仕事です。リハビリによって出来ることが増えた患者さんの社会復帰に貢献できることも、大きなやりがいと言えます。
 
 その他にも、言語聴覚士の仕事のやりがいを感じるポイントはたくさんあるかと思います。
 言語聴覚士の対象領域が、人とコミュニケーションをとったり、おいしいご飯を食べたりといった、人間誰もがもっている根源的な欲求に対する機能であるからこそ様々なやりがいを感じるのだと思います。

言語聴覚士の仕事の魅力について

 次に、言語聴覚士の仕事の魅力について見ていきたいと思います。

子どもの発達・成長に関われる医療職

 高校生のみなさんの中には、将来は子どもに関わる仕事に就きたい!と思っている方も多いと思います。
 
 発達支援に関わる言語聴覚士は、子どもの言葉の遅れやコミュニケーションの特徴について丁寧に評価し、玩具や絵本など、子どもが興味・関心を持つものも活用しながら言葉の育ちを促していきます。また、読み書きが難しい子どもには、基礎となる語い力や形を認識する力などを伸ばしながら、その子に合った方法で文字の習得ができるよう訓練、指導を行います。医療機関や福祉施設、学校などで子どもの発達や成長をサポートできる仕事です。
 
「話す」「聞く」といったコミュニケーションの機能に障害を持っている子どもの場合、周囲の人とうまくコミュニケーションがとれず、さまざまな物事を表す言葉にふれる機会が乏しくなりがちです。言葉の理解や表現の力の発達に難しさを抱えるとともに、社会生活に大きな影響を及ぼしてしまうこともあります。言葉の能力をみるだけではなく、子どもを取り巻く環境についても評価し、必要な調整を行うことも言語聴覚士の仕事です。
 
 小児リハビリでは、子どもやその家族と定期的に会い、発達の状態や子どもの特徴に合った指導・訓練、保護者の不安に対する相談や具体的な助言を行います。じっくりと親子と向き合い、コミュニケーションを取ることが求められます。
 
 子ども自身が持っている力を使って何かに向かう姿やチャレンジする姿、少しだけ手ごたえがある課題をクリアした時の「できた!」という表情を見ることは言語聴覚士にとっても嬉しい瞬間です。子どもたちが少しずつ、時には大きく成長する喜びを感じられる魅力があります。

女性が長く続けられる仕事

 言語聴覚士の職場環境は夜勤がなく、就業時間が規則的であることは魅力のひとつです。
 女性の産前・産後の休暇取得、育児休暇の活用などのシステムが整備され、託児所を併設している施設も多く、結婚後も言語聴覚士として長く仕事を続けやすい職場環境です。
 
 言語聴覚士は国家資格であるため、出産や育児で一時的に職を離れる時期があっても再就職は比較的容易であり、これまでの経験を活かして次のステージに活かせるのも特徴です。
 日本言語聴覚士協会の調査によると、言語聴覚士の資格取得者の約80%が女性です。
 ▶参考記事:言語聴覚士の1日のスケジュールはどうなってる?

将来性のある仕事

 言語聴覚士の仕事は、日本の高齢化社会という社会的背景、診療報酬改定による医療機関における言語聴覚士の活躍の幅の拡がり、介護・福祉施設、訪問リハビリテーション、学校教育や児童関連施設での活躍の場の拡がりなどにより、今度ますます求められる仕事になってきます。
 
 先述の通り、言語聴覚士は理学療法士や作業療法士に比べて少ない現状です。
 チーム医療においても、専門性の高い重要な仕事でありこれから活躍の範囲も広がっていくことから将来性のある仕事であり、それが言語聴覚士の仕事の魅力のひとつであるともいえます。
 ▶参考記事:言語聴覚士の将来性が知りたい!どうなる?

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