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言語聴覚士の1日のスケジュールはどうなってる?
  • 2022.11.17

「将来は医療職に就いて活躍したい!」と考えていて、リハビリ職の中でも言語聴覚士に興味がある高校生の方は、言語聴覚士が「毎日どのようなスケジュールで働いているのか」気になるのではないでしょうか。

 今回は、「言語聴覚士の1日のスケジュール」について詳しく見ていきたいと思います。

「勤務時間はどうなっているのか?」「他の医療職と比べて勤務体系に違いがあるのか?」などを知ることで、言語聴覚士として働くイメージを持っていただき、職業への理解を深めてもらえればと思います。

目次

言語聴覚士の1日のスケジュールを知ろう!

 言語聴覚士の1日のスケジュールは、勤務先や事業所によって違ってきます。

 はじめに、多くの言語聴覚士が勤務している医療機関(病院)の1日から見ていきたいと思います。
 医療機関、特に集中的に訓練を行うリハビリテーション病院や回復期病棟での言語訓練は、あらかじめ決まった時間に行われます。急患や夜勤などに対応することがほぼないという点も特徴です。

医療機関(病院)で働く言語聴覚士の1日

・出勤、ミーティング
 朝礼やミーティングでは、患者さんの情報を共有(申し送り)したり1日の予定を確認したりします。

・午前
 病院内に入院している患者さんの言語訓練を実施します。リハビリ室(言語訓練室)に来れない方には、ベットサイドで訓練を行います。
 高次脳機能障害などがある患者さんに対しては、病室内の環境設定を行うこともあります。

 職場によっては自宅に訪問して、訓練を実施することもあります。

 医師や看護師、その他の専門職とのカンファレンスに参加したりします。

・お昼時間
 患者さんの昼食時間に合わせて、嚥下機能が低下している患者さんの食事の様子を確認しながら、嚥下訓練を行います。
 また、嚥下造影検査を行い、医師・看護師・栄養士・放射線技師・言語聴覚士が連携して、実際に水分や食べ物を飲み込む様子を動画で確認しながら、今後の方向性などを話し合うこともあります。

・午後
 休憩時間後の午後の業務では、新規担当する患者さんの聴覚検査の実施や、のどの動きを確認するためのレントゲン撮影への付き添い、カルテへの検査結果の記入を行ったりします。

 最後に、終礼でその日の出来事や新しい患者さんの情報などを含め、明日への申し送りを行い退勤します。勉強会や症例検討会がある日は、参加してから退勤することもあります。


 このように、医療機関で働く言語聴覚士は、患者さんの体調や検査結果を確認しながら、リハビリテーションを計画・実施していきます。
 患者さん一人一人に合ったリハビリ計画を立て、実施していくために、患者さんご本人とご家族とのコミュニケーションも重要になってきます。
 また、医師や看護師、その他の専門職とのカンファレンスなどでは、自分では考えつかないアイデアなどを提供してもらえることも多くあります。

 他の職種の方としっかりと連携を取り、チーム医療を提供することも重要です。

福祉施設で働く言語聴覚士の1日

 医療機関(病院)の他に、多くの言語聴覚士が勤務している福祉施設での1日について見ていきたいと思います。急患や夜勤などに対応することがほぼないという点は医療機関(病院)での1日と同じです。

・出勤、ミーティング
 朝礼やミーティングでは、介護士などの福祉職の方と利用者さんの情報を共有(申し送り)し、1日の予定を確認します。福祉職とのミーティングを行った後に、医療職で独自にミーティングを行います。

・午前
 福祉職の方と連携をとりながら、利用者さんの生活援助をしたり、レクリエーションに参加したり、個別に言語訓練を行ったりします。

・お昼時間
 利用者さんの昼食時間に合わせて、嚥下機能が低下している利用者さんの食事の様子を確認しながら、嚥下訓練を行います。

・午後
 休憩時間後の午後の業務では、施設内で行われるレクリエーションに参加し、利用者さんを補助しながら言語能力や身体機能について観察し、言語訓練、機能訓練などを行います。

 施設と連携している医師・看護士などと今後のリハビリについてのミーティングを行うこともあります。
 利用者さんの回復が早かったり、障害が重かったりする場合には、別施設でリハビリを行うこともあります。

 また、利用者さんのご家族が面会に来られた際には、ご本人の症状や今後のリハビリ内容や回復状況などを説明します。
 最後に、終礼で明日への申し送りを行い退勤します。


 福祉施設での1日は、医療機関よりも利用者さんの生活に関わる時間が多いです。
 治療やリハビリに関わる時間の他にも、利用者さんの「食べたい」「話したい」といった要望に寄り添うことが重要です。

言語聴覚士の残業や勤務時間外について

 続いて、言語聴覚士の残業時間や、勤務時間外についても見ていきたいと思います。

多い?少ない?気になる残業時間

 職場によって違いはあるかと思いますが、言語聴覚士は、あらかじめ決められた人数に対して訓練を行うため、急患で突発的な事態に対応することは少ないです。
 そのため、残業が多くなったり、不規則な労働時間になったりすることは少なく、残業がある場合も、遅い時間まで残業をするケースはほとんどないと言えます。

 また、基本的に夜勤はないため、家事や育児をしながらでも働きやすく、長く言語聴覚士として働いていくことができます。

 職場によっては、勤務時間外に勉強会・症例検討会が実施される場合もあります。特に、新人の頃はスキルアップのために勤務時間外や休日の時間を使って、勉強会や講習会に参加する機会も多くなると思います。

書籍の紹介「言語聴覚士の一日」

 言語聴覚士の1日を知る上で参考になる書籍についてもご紹介できればと思います。
 言語聴覚士の仕事に興味がある10代の方に向けた書籍となっており、下記のような内容について知ることができるので参考になると思います。
  • 言語聴覚士の仕事ってどんなことをするの?
  • 仕事の時はどんなことを考えている?
  • 言語聴覚士になる学校ってどんなところ?
  • 言語聴覚士になるには何を勉強しておくといいの?
  • どんな人が向いている
 などの10代の疑問に、写真で「見る」、そして、文章で「知る」ことができる書籍です。
 ▶参照:「言語聴覚士の一日」

まとめ

 今回は、「言語聴覚士の1日のスケジュール」について見ていきました。
 言語聴覚士の1日のスケジュールを知ることで、言語聴覚士として働くイメージを少しでも持っていただけたかと思います。

 より詳しい情報を知り、言語聴覚士についての職業理解を深めるために、言語聴覚士になるための養成校で開催される説明会やオープンキャンパスに参加して、言語聴覚士の先生に直接、質問したり、お話を聞いてみたりすると良いと思います。

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