• TOP
  • 記事一覧
  • チーム医療で患者さんに寄り添う!管理栄養士の役割と多職種連携について

チーム医療で患者さんに寄り添う!管理栄養士の役割と多職種連携について
  • 2023.05.18

 管理栄養士に興味がある、もしくは管理栄養士を目指している高校生のみなさんは、将来どんな場所で活躍できるのだろうか?どんな就職先があるのだろうか?といった働く場所についての興味や関心を持っていると思います。

 今回は、管理栄養士の主な就職先のひとつである病院などの医療機関に注目していきたいと思います。

 昨今、医療現場では欠かせなくなっている「チーム医療」。その中での管理栄養士の役割や他の職種との連携はどのようにされているのかについて詳しくお伝えしたいと思います。

 チーム医療で患者さんをサポートする管理栄養士の魅力を知って、職種選択や進路決定の参考にしてもらえればと思います。

目次

チーム医療における管理栄養士の役割とは?

 医療機関で活躍する管理栄養士について知るためには、「チーム医療」についても知る必要があります。

チーム医療とは

 チーム医療とは、一人の患者さんに複数の医療専門職が連携をして、治療やケアをすることです。 
 
 病院などの医療機関では、様々な職種の医療専門職が働いています。
 
 専門分野の異なる職種のメディカルスタッフが連携し、それぞれの専門スキルを発揮することで、入院中または、通院中の患者さんの生活の質(QOL)の維持・向上をサポートします。
 
 管理栄養士も、チーム医療の一員として患者さんをサポートします。
 では、管理栄養士の他にチーム医療に関わる職種はどのくらいあるのでしょうか?

チーム医療に関わる職種について

 チーム医療に関わる職種は、管理栄養士を含めて20職種あります。
 また、患者さんとそのご家族もチーム医療のメンバーであることも大切なポイントです。
 
 ・公認心理師
 ・医師
 ・ソーシャルワーカー
 ・医療リンパドレナージセラピスト
 ・管理栄養士
 ・義肢装具士
 ・救急救命士
 ・言語聴覚士
 ・作業療法士
 ・歯科衛生士
 ・視能訓練士
 ・診療情報管理士
 ・診療放射線技師
 ・精神保健福祉士
 ・薬剤師
 ・理学療法士
 ・臨床検査技師
 ・臨床工学技士
 ・細胞検査士
 ・臨床心理士
 ・患者・ご家族

チーム内での管理栄養士の役割

 チーム医療における管理栄養士の役割は、食や栄養に関する高度な専門知識や技術をもって患者さんに適正な栄養管理を行い、栄養状態の改善から病態・病状の改善につなげることです。
 
 患者さんにとって、食べることは非常に重要なことです。管理栄養士がチームに加わることで、食と栄養に関する支援ができ、患者さんのQOLの向上につながります。

 管理栄養士は、患者さんの症状や身体状況に合わせて栄養管理と食事の提供を行います。
 生活習慣病や手術後の患者さんには退院後、自宅等での食事内容や栄養についても指導する役割もあります。

管理栄養士が参加する医療チームとは?各チーム内での役割は?

 非常に大切な役割を担う管理栄養士。
 医療現場では、どのようなチームで活躍しているのでしょうか。
 
 それぞれのチームの内容と各チームでの管理栄養士の役割を見ていきたいと思います。

■ 栄養サポートチーム

 食欲が低下している患者さんや、栄養状態の悪い患者さんを対象に適切な栄養管理を行い、患者さんの状態を改善、合併症を予防することを目指すチームです。
栄養サポートチームにおける管理栄養士の役割
 ・必要な栄養量を算出
 ・摂取栄養量・不足栄養素・栄養状態の評価
 ・栄養補給方法の計画立案
 ・患者さんの嗜好への対応
 ・食品、栄養補助食品、調理法の決定
 ・食事形態のアドバイス
 ・水分管理の評価
 ・経腸栄養剤(腸から栄養を吸収させる方法)における選別のアドバイス
 など
参加する職種
 医師
 医療ソーシャルワーカー
 看護師
 管理栄養士
 救急救命士
 言語聴覚士
 作業療法士
 歯科医師
 歯科衛生士
 薬剤師
 理学療法士
 臨床検査技師
 臨床工学技士

■ 呼吸ケアサポートチーム

 呼吸に問題を抱える患者さんに対して、早期に呼吸状態の改善をはかり、患者さんの呼吸が少しでも楽になり、日常生活を過ごしやすくなるようサポートするチームです。
呼吸ケアサポートチームにおける管理栄養士の役割
 ・必要な栄養量を算出
 ・摂取栄養量・不足栄養素・栄養状態の評価
 ・栄養補給方法の計画立案
 ・患者さんの嗜好への対応
 ・食品、栄養補助食品、調理法の決定
 ・食事形態のアドバイス
 ・水分管理の評価
 ・経腸栄養剤(腸から栄養を吸収させる方法)における選別のアドバイス
 など
参加する職種
 医師
 医療ソーシャルワーカー
 看護師
 管理栄養士
 救急救命士
 言語聴覚士
 作業療法士
 歯科医師
 歯科衛生士
 診療放射線技師
 薬剤師
 理学療法士
 臨床検査技師
 臨床工学技士

■ 摂食・嚥下チーム

 食べ物を噛めない、飲み込めない患者さんや食事に時間がかかる患者さん、栄養状態の悪い患者さんを対象に、治療や訓練を通して、食べる機能の回復や肺炎を防止し、日常生活における活動性の向上を目指すチームです。
摂食・嚥下チームにおける管理栄養士の役割 
 ・栄養状態の評価
 ・必要栄養量(水分を含む)の検討
 ・経腸栄養剤(腸から栄養を吸収させる方法)の選択
 ・嚥下訓練食の調製
 ・食事形態の評価
 ・栄養食事指導
参加する職種
 医師
 看護師
 管理栄養士
 救急救命士
 言語聴覚士
 作業療法士
 歯科医師
 歯科衛生士
 診療放射線技師
 理学療法士
 臨床検査技師

■ 糖尿病チーム

 糖尿病の患者さんを対象に、糖尿病患者の日常的な療養生活のサポートを行います。
 合併症などによる、しびれや神経痛、失明、腎不全や透析を必要とする尿毒症などの重症化を予防するチームです。
糖尿病チームにおける管理栄養士の役割
 ・治療前の栄養評価
 ・きめ細やかな個別指導
参加する職種
 医師
 医療ソーシャルワーカー
 看護師
 管理栄養士
 義肢装具士
 救急救命士
 作業療法士
 歯科医師
 歯科衛生士
 薬剤師
 理学療法士
 臨床検査技師
 臨床心理士

■ 褥瘡管理チーム

 寝たきり、もしくは、寝たきりに近い患者さんや、常時、車いすを使用している患者さんなどを対象に、褥瘡(じょくそう=床ずれ、皮膚の潰瘍)の予防や早期発見、適切な褥瘡管理によって改善・治癒を目指すチームです。
褥瘡管理チームにおける管理栄養士の役割
 ・必要な栄養量を算出
 ・摂取栄養量・不足栄養素・栄養状態の評価
 ・栄養補給方法の計画立案
 ・患者さんの嗜好への対応
 ・食品、栄養補助食品、調理法の決定
 ・食事形態のアドバイス
 ・水分管理の評価
 ・経腸栄養剤(腸から栄養を吸収させる方法)における選別のアドバイス
 など
参加する職種
 医師
 医療ソーシャルワーカー
 看護師
 管理栄養士
 義肢装具士
 救急救命士
 作業療法士
 薬剤師
 理学療法士
 臨床検査技師

まとめ

 今回は、チーム医療で患者さんをサポートする管理栄養士について詳しくお伝えしました。
 
 医療現場の様々なチームで活躍している管理栄養士。
 将来、病院などの医療機関で働く時にどんな役割で他の医療専門職の方と働くのか少しはイメージしてもらえたでしょうか。
 
 管理栄養士の養成校の中には、医療現場で将来一緒に働く他専門職を養成する学科を持っている学校もあります。チーム医療を学びながら、管理栄養士を目指せる環境を見つけてください。

RECOMMENDATION

あなたにおすすめの記事