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ソーシャルワーカーは災害支援でも活躍!福祉の力で誰かのためにできること
  • 2026.06.10

 ソーシャルワーカーとは、生活が困難な人々が抱えるさまざまな問題や課題をすくいあげ、解決に結びつける仕事です。
 近年増加している地震や水害などの災害においては、人々の生命や生活を守るためソーシャルワーカーの力がますます求められるでしょう。
 この記事では、災害時の具体的な支援内容やメンタルケアなど、物心両面から被災者を支えるソーシャルワークについて解説します。

目次

1.災害時に起こりうるリスクとは?

 災害は、人生と生活をあっという間に崩壊させてしまいます。
 災害時に想定されるリスクとはどのようなものでしょうか。
 

1-1.生命のリスク

 災害による生命のリスクには2種類あり、一つは巻き込まれて命に関わるケガを負い亡くなる、直接死のリスクです。
 もう一つは避難生活の長期化から持病が悪化したり、車中泊をする中でエコノミークラス症候群にかかって亡くなったりなど、災害が間接的にもたらす関連死のリスクです。
 
 災害時には、この2つのリスクを避けることが重要となりますが、このようなリスクを自力で回避することが難しい状況にある人もいます。
 
【災害時要援護者の例】
  • 高齢者
  • 地域移行支援施策により自立して生活する障害者
  • 日本在住の外国人
 
 身体的理由で自ら避難できない人や、情報を得て適切に行動することが難しい人など、災害時の要援護者は増加の傾向にあります。
 

1-2.情報不足のリスク

 災害が起こると、通信手段の遮断などによって情報収集が難しくなり、情報不足のリスクが高まります。
 テレビやラジオなどで得られる情報は広域や災害全体を中心に報道されることが多く、地域個別の情報を得にくいため、被災者の身の回りの状況を把握しにくい状況になりがちです。
 
 家族の安否や地域の被災情報など情報が無い状態では、「分からないこと」への不安が生じます。
 そのため、SNSやネット上の噂などすぐに得られる情報に飛びついてしまいがちですが、不確かな情報は混乱の元になり、避難生活の質を左右することに直結するのです。
 

1-3.生活のリスク

 災害によって、生活を維持するための基盤を失ってしまうことがあります。
 特に、生活に関わる次のようなリスクが発生した場合は、深刻な状況に陥りがちです。
 
  1. 住んでいる場所が被災して住めなくなる
  2. 水道・ガス・電気などのライフラインが断たれる
  3. 介護サービスなど普段の生活に必要なサービスが受けられなくなる
  4. 小売店舗の損壊や物流の停止などで、生活必需品を入手することが難しくなる
 
 このようなリスクがある場合に、新たな生活拠点となるのが避難所です。
 避難所とは、地域に住む多くの被災者が以前の生活を取り戻すまで、福祉分野や行政分野の専門家と共に、助け合いながら生きるための場所です。
 
 しかし、病気を持つ人や障害者など避難所での生活が難しい人たちもいます。
 このような人たちが避難所以外での生活を選んだ場合、福祉や行政サービスが行き届かず生活が立ち行かなくなり、復興から取り残されてしまうリスクが高まってしまいます。
 

1-4.孤立のリスク

 被災後、避難生活が続くと、地域とのつながりが保てなかったり、新しい場所での生活に馴染めずストレスが増えたりなど、孤立する可能性があります。

 その結果、復興に向けて生活を立て直そうとする被災者とは別に、復興への足がかりが得づらく取り残されてしまう一部の被災者が生まれてしまうことがあります。
 この現象を鋏状格差(はさみじょうかくさ)と言い、一度起こった格差を埋めるのは簡単なことではありません。
 孤立が深まった結果誰の助けも呼べず、災害関連死につながってしまうケースは年々増加する傾向にあり、問題視されています。
 
 このように災害で起こるリスクは複数あり、被災者ひとりでは乗り越えるのが難しいものです。
 起こりうるリスクから命や生活、暮らしを守り生活を再建するための支援は欠かせません。
 そこで活躍できるのが、ソーシャルワーカーという存在です。
 
 次の章からは、ソーシャルワーカーの役割について具体的に見ていきましょう。
 

2.災害支援でソーシャルワーカーが果たす役割とは?

 できるだけ被災前の生活に戻れるよう支援を行うのがソーシャルワーカーです。
 ここからは、災害支援時にソーシャルワーカーが行う役割を紹介します。
 

2-1.被災者の安否確認

 福祉の仕事を担うソーシャルワーカーは、日頃から支援を必要とする方々と関わるため、地域にどのような支援対象者がいるのかを把握しています。
 そのため、災害時には要援護者の安否をすぐ確認でき、次に必要な行動を起こします。
 
 高齢者や障害者の中には、身体機能の問題により避難行動ができず取り残されてしまう人がいます。
 中には、避難しても周囲に迷惑をかけてしまうのではないかと考え、「迷惑をかけるくらいなら逃げなくてもよい」とあきらめてしまう人もいます。
 
 支援が必要な人のもとへ出向き避難の誘導やサポートなどの直接支援を行ったり、緊急対応が必要な要援護者に対しては、医療・保健・福祉の各分野と連携して支援を行ったりなど、「誰一人取り残さない」ための災害支援を行うのがソーシャルワーカーです。
 

2-2.情報収集と伝達

 地域の被災状況や被災者の安否情報など、ソーシャルワーカーは被災者のニーズに応じた情報を伝達します。
 被災者が必要としている情報やニーズを聞き取り、保健師や弁護士など専門職へ被災者の声を届けるコーディネート支援も並行して行います。
 
 災害時のニーズは、次のように時間の経過とともに変化します。

【災害時におけるニーズの変化】
期間 ニーズの内容
発災直後(超急性期、発災〜72時間) 水や食料などの物資の確保
急性期(1週間〜) 生活環境の整備、心身の健康に対する支援
慢性期(数週間後〜) 子どもの通学や仕事の再開といった生活再建
コミュニティの再構築
 
 このように刻々と変化する個別のニーズは、どれも生活全般に密接に関わるものです。
 的確に聞き取り把握して適切な場につなぐ支援を行うのが、ソーシャルワーカーの重要な役割です。
 

2-3.生活環境の整備

 避難所は、災害時要援護者といわれる高齢者、子ども、障害者、外国人などを含む多様な人たちが、共に避難生活を送る場所です。
 
 ソーシャルワーカーは、食料や生活必需品などの必要な物資が避難所の人々に届けられるよう、各専門家と連携して対処にあたるほか、避難所での生活から仮設住宅や復興住宅での生活へスムーズに移行するための支援を行います。
 
 また、災害時に要援護者が不利な状況に陥ったり、追いやられたり、災害関連死に至ったりすることがないよう、要援護者とその家族向けにスペースを確保した福祉避難所を開設することも重要です。
 こうした生活の基盤を再構築するための支援もソーシャルワーカーの役割の1つです。
 

2-4.人とのつながりを支援

 人と人のつながりを支援することも、ソーシャルワーカーが持つ役割の一つです。
 災害直後から復興までの間、避難所や仮設住宅、復興住宅で生活しやすくなるよう、コミュニティ作りを支えるのがソーシャルワーカーです。
 遠方への避難を余儀なくされた被災者と受け入れ先の住民をつながりやすくしたり、避難を終了し地元へ戻った被災者の地域とのつながりを復活できるようにしたりと、長いスパンで支援を行います。
 
 また、人とのつながりを支援するには被災者の心のケアも欠かせません。
 受容・共感・傾聴を基盤としたソーシャルワーカーの支援は、被災者の心理的ストレスを軽減させ、人とのつながりを取り戻し孤立させないためにとても有効です。
 
 災害時には他者やコミュニティとのつながりが断たれることがあり、こうした問題を解決するために、ソーシャルワーカーの力はますます期待されています。
 
 ここまで見てきたように、命を守るための支援、日常生活を取り戻すための支援、被災後も生きて暮らすための支援など、幅広い分野で支援活動を行うのがソーシャルワーカーです。
 
 また、災害時にできるだけ多くの人や生活を守るため、防災に向けた取り組みを日常から行うのも、ソーシャルワーカーの仕事の一つでもあります。
 次章からは、地域の防災のためにソーシャルワーカーができることを見てみましょう。
 

3.命を守るためにソーシャルワーカーが取り組む備えとは?

 地震や水害など、甚大な被害が予想される災害に普段から備えるのも、ソーシャルワーカーの重要な役割です。
 ここでは、地域に住む人々の命を守るために、ソーシャルワーカーが取り組む防災対策を具体的に見ていきましょう。
 

3-1.避難計画の策定

 普段から、防災への意識を高める避難計画を作ったりプランを立てたりすることは必要とされていますが、特に高齢者や障害者など避難時にも行動支援が必要な人には、個別の避難計画を行政や地域住民が中心になって作成することが求められます。
 しかし、災害時要援護者に対する支援方法がわからないため、計画策定が十分にすすんでいない現状があります。
 
 この現状に対し適切に対処できるのが、ソーシャルワーカーです。
 ソーシャルワーカーは、災害時要援護者と呼ばれる高齢者や障害者の方々に対する支援を日常から行っている強みを生かし、より実行可能な避難計画の策定を行うことができます。
 

3-2.防災訓練の実施と運営

 避難所運営訓練など地域での防災訓練に関わることは、ソーシャルワーカーにとっても大きな意味を持ちます。
 要援護者の情報収集や防災マップ作成など実際に役立つツールを作成しやすく、災害に備えて万全な準備を行える良い機会となります。
 
 有事に地域住民の協力を得るためには、平時から災害時要援護者と地域住民との接点をとり持つことが重要になります。
 実際に災害が発生したとき、避難支援や避難生活の支援をソーシャルワーカーだけで全て担うことは難しく、地域の人々の互助の力が不可欠だからです。
 
 災害時要援護者や地域住民と共に防災訓練を行うことは、ソーシャルワーカーがその場で両者の間をとり持ちつながりを育むことにとても有効な手段と言えるでしょう。
 

4.活躍できるソーシャルワーカーになるには?

 災害支援時、助けが必要な人のニーズに応えられるソーシャルワーカーになるためには、どんな学びが必要でしょうか。
 関西福祉科学大学の福祉創造学科では、ソーシャルワークを学べるカリキュラムがたくさん用意されています。
 さらに学科の枠を超え視野を広くして学べる特別プログラム「ミライドプログラム」では災害支援について学べる「SDGs・災害支援領域」があります。
 災害をはじめ変化が著しい現代社会が抱える多くの課題を解決し、地域に貢献するソーシャルワーカーとして活躍するなら、SDGs・災害支援領域のミライドプログラムで学んでみましょう。
 
 多種多様な学びを得られるミライドプログラムの授業の一部を具体的に紹介します。
 

4-1.ソーシャルワーカーとして自発的に行動!「災害支援論」

 「災害支援論」は、過去に起こった大きな災害が人々にどのような影響を与えたのか、また要援護者へどのように災害支援を行うかを、福祉の視点から学修します。
 講師による講義だけでなく、実際に被災地で活動した外部講師による講義や、グループワーク、ディスカッションなどさまざまな手法を用いて、さまざまな視点から災害支援を考える授業です。
 
 災害時には、想定外という言葉がよく用いられます。
 既存の知識や方法論を学ぶほかにも、災害に遭遇したときソーシャルワーカーが自発的に考え、行動できるようになることをめざします。
 
【めざせる人材例】
  • 過去の実例を自分が関わる地域に当てはめ、どのような支援をすべきかを発見できる
  • 集めた情報を正しく取捨選択し、必要な情報に焦点を当てられるようになる
  • 被災者、災害弱者の暮らしに寄り添い、そのニーズから具体的な援助方法を構築できる

4-2.暮らしの課題を解決!「ボランティア活動論」

 ボランティア活動の歴史を理解し、現代社会におけるボランティア活動の位置づけについて学ぶのが、「ボランティア活動論」です。
 
 高齢者、児童、障害者など要援護者別のボランティア活動、また災害支援、国際支援、環境支援などの状況別によるボランティア活動など、幅広く具体的な事例を学びます。
 また、ボランティア活動を支える制度や機関・団体などを理解し、ボランティア活動に適した環境整備について考えていきます。
 これらの学びを通して、暮らしに関係する社会のさまざまな問題に気づき解決策を考え、解決に向けた実践に高い関心を持つ人材の育成をめざします。
 ボランティア活動だけでなく災害支援にも学びを活かせる授業なので、ぜひ参考にしてみましょう。
 
【めざせる人材例】
  • 暮らしに密接する社会問題の解決策を考えられる
  • ボランティアの重要性や役割、心構えを知っている
  • ボランティア活動を支える
 

4-3.地域全体の健康を守る!「公衆衛生学」

 「公衆衛生学」の講義では、地域社会全体の健康を守るために必要な、公共衛生の概念とその目的について学びます。
 医療の現場における健康や予防医学について、学びを深めることができます。
 
【めざせる人材例】
  • 公衆衛生学分野の役割を理解し、災害支援など医療を必要とする現場で知識を活用できる
  • 身の回りの健康に関する諸問題に関心をもち、知識を役立てられる。
 
 その他にも、ミライドプログラムは災害支援に役立つ学びがたくさんあります。災害支援についても知識を持ったソーシャルワーカーをめざしましょう。
 
【カリキュラム例】
  • 「避難所運営演習」の実践演習
  • 「災害と福祉を考える講座」のセミナー 

災害支援で活躍できるソーシャルワーカーをめざすなら社会福祉の学びと災害支援が学べる関西福祉科学大学へ!

 この記事では、災害時にソーシャルワーカーが行う活動や災害支援のために必要な学びなどを解説しました。
 
 要援護者の生活を守り災害からの復興を支援するため、ソーシャルワーカーができることはたくさんあります。
 活動の幅を広げより多くの人のために活動するには、多くの分野での知見や知識が欠かせません。
 
 関西福祉科学大学の「ミライドプログラム」で用意されているカリキュラムでは、学科の枠を超えた学びを身につけられるので、幅広いケースに対応できるソーシャルワーカーをめざす人にもぴったりです。
 また、福祉の仕事以外をめざす人にとっても、福祉や災害支援について学ぶことは、あなたがめざす専門分野にプラスアルファの価値を与えてくれるでしょう。
 いろいろな学びを通して新たな視点を持ち、自分の強みを見つけることでより活躍できるソーシャルワーカーになるための助けになるでしょう。
 
 ぜひ関西福祉科学大学のオープンキャンパスを訪れてみましょう。
 

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