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養護教諭免許・資格を取得する方法(一種免許状と二種免許状の違い)
  • 2023.08.31

 養護教諭として働くために必要な養護教諭免許状には、大学で4年間かけて取得する一種免許状、短期大学で2年の短い期間で取得する二種免許状、大学院で取得する専修免許状の3つがあります。どの免許状を取得しても養護教諭として働くことは可能ですが、給与やキャリアパスの面で違いが出てきます。

 この記事では、養護教諭免許状の種類や取得方法、免許取得から養護教諭として働くための流れについて解説します。

目次

養護教諭に必要な免許・資格は?

 養護教諭として学校で働くためには、教員免許の一つである「養護教諭免許状」を取得する必要があります。養護教諭免許状には一種・二種・専修の3つがあり、それぞれ取得方法が異なります。

養護教諭一種免許状

 養護教諭一種免許状は、養護教諭免許状に関する教職課程がある大学で必要な単位を修得・卒業することで取得できます。

 養護教諭一種免許状を取得するための所定科目と最低単位数の内訳は次のとおりです。(5科目56単位+施行規則第66条の6に定める科目:8単位)[注1]

  • 養護に関する科目:28単位
  • 教育の基礎的理解に関する科目:8単位
  • 道徳,総合的な学習の時間等の内容及び生徒指導,教育相談等に関する科目:6単位
  • 教育実践に関する科目:7単位
  • 大学が独自に設定する科目:7単位
  • 施行規則第66条の6に定める科目:8単位
 なお、看護師や保健師の免許を取得している場合、文部科学大臣指定の養護教諭養成機関に在籍し、所定の科目の必要な単位を修得することで、一種養護教諭免許状を取得できます。看護師は文部科学大臣指定の養護教諭養成機関に1年以上在籍し5科目22単位、保健師は半年以上在籍し、5科目12単位の修得が必要です。[注1]

二種免許状取得後に一種免許状を取得するには

 二種免許状取得後、養護教諭としての実務経験が3年以上ある場合は、指定の大学や養護教諭養成機関などで所定の科目を20単位修得することで、一種免許状を取得できます。

養護教諭二種免許状

 養護教諭二種免許状は、指定の短期大学、または養護教諭養成機関で所定科目を42単位以上修得することで取得できます。

 養護教諭二種免許状の取得に必要な所定科目と最低単位数の内訳は次のとおりです。(5科目42単位+施行規則第66条の6に定める科目:8単位)[注1]

  • 養護に関する科目:24単位
  • 教育の基礎的理解に関する科目:5単位
  • 道徳,総合的な学習の時間等の内容及び生徒指導,教育相談等に関する科目:3単位
  • 教育実践に関する科目:6単位
  • 大学が独自に設定する科目:4単位
  • 施行規則第66条の6に定める科目:8単位
 また、臨時免許状(養護助教諭免許状)を取得後、6年以上良好な成績で勤務した実績がある場合は、大学または養護教諭養成機関などで所定の科目を30単位修得して二種免許状を取得する方法もあります。[注1]

 保健師免許を取得している場合は、「教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目」を8単位修得することで、二種免許状の取得が可能です。[注2]

専修免許状

 専修免許状を取得するには、まずは大学の養護教諭養成課程を修了して卒業し、一種免許状を取得する必要があります。その後、大学院または大学の専攻科に1年以上在学して、所定科目で必要な単位を修得します。

 すでに養護教諭一種免許を取得していて、3年以上良好な成績で勤務した実績ある場合は、大学院または大学の専攻科、認定講習などで「大学が独自に定める科目」を15単位修得することで、専修免許状を取得できます。[注3]

各種の免許状以外で役立つ資格

 養護教諭免許状を取得するうえで、または取得後養護教諭として働く際に役立つ資格としては、看護師・保健師・公認心理師があります。先述のとおり、看護師や保健師免許を取得している場合は、文部科学大臣指定の指定教員養成機関に在籍し、所定科目で決められた単位を修得することで、養護教諭一種免許状が取得できます。

看護師

 看護職になるには、看護師国家試験に合格して免許を取得する必要があります。受験資格は文部科学大臣または厚生労働大臣指定の大学または3年制短期大学や専門学校を卒業していることです。

 看護師の免許を持つ人が養護教諭になるメリットは、児童生徒の健康管理や、救急処置を行ううえで、専門性の高い医療知識を発揮できる点です。とくに応急処置をする際、看護師資格を持っていれば、より適切な判断ができるでしょう。

保健師

 保健師になるには、看護師免許と保健師免許の2つが必要です。看護師免許国家試験に合格し看護師の資格を取得したのち、所定の保健師養成課程(1年以上)を修了して保健師免許国家試験に合格しなければなりません。看護師・保健師の統合カリキュラムを採用している大学・専門学校なら、看護師国家試験と保健師国家試験を同時に受験可能です。

 保健師は主に保健所などの自治体に勤務し、仕事は保健指導や健康管理、乳幼児健診、生活習慣病対策など多岐にわたります。保健師の資格を持っている場合は、小中学校、高校で「学校保健師」として働くことができます。

公認心理師

 公認心理師になるには、公認心理師養成カリキュラムを持つ大学・専門学校で所定科目を修め、大学院で所定科目を修了したのちに公認心理士国家試験に合格するか、大学・専門学校で所定科目を修め、厚生労働省認定施設にて2年以上の実務経験を積んだのちに国家試験に合格する必要があります。

 心の問題を抱えた人を支援するために心理学に関する専門的知識技術を持った唯一の国家資格として、2017年に公認心理師は誕生しました。ストレスが多い現代社会では、大人だけではなく子どもの心のサポートができる専門家の需要はとても高まっているため、公認心理師の資格を持つことで活躍できる幅が広がると予測する声もあります。

養護教諭一種免許状と養護教諭二種免許状の違いは?

 一種免許状と二種免許状では、取得方法だけでなく給与面、キャリアパスなどにも違いが出てきます。以下で詳しく紹介します。

取得方法の違い

 養護教諭一種免許状と二種免許状は、免許状の取得方法に大きな違いがあります。一種免許状が4年制の大学で所定科目56単位を修得する必要があるのに対し、二種免許状が短期大学で所定科目42単位を2年間で修得します。

 必要な単位数だけ見れば二種免許状のほうが少ないですが、4年間かけてじっくり基礎知識を身に付けることのできる一種免許状に比べ、二種免許状は2年間で42単位を駆け足で修得しなければなりません。そのため、学修内容にどうしても差が出てきてしまいます。

給与の違い

 養護教諭一種免許状と二種免許状では、給与面でも違いが出るケースがあります。

 公立学校で働く養護教諭は各自治体の採用試験に合格した地方公務員です。給与は地方公務員法や地方自治法に基づいて支給されます。地方公務員である公立学校の養護教諭の給与額は各自治体によって異なります。また、職務の困難度や複雑さ、責任の重さに応じた「級」と、職務経験年数によって同一級の待遇をさらに細分化した「号級」によって給与の支給額が決定します。

 令和4年1日遡及適用「東京都教育職給料表」では、職務級3級5号給の給与月額は25万4,700円です。[注4]一方、 神奈川県の教育職給料表では、職務級3級5号給の給与月額は26万6,600円でした。[注5]

 一種免許状を持つ大卒の養護教諭と、二種免許状を持つ短大卒の養護教諭では、学歴の差によって初任給の金額も異なり、大卒の養護教諭の方が高く設定されてる傾向が高いです。

キャリアパスの違い

 取得方法や給与面に違いがあるとしても、一種・二種・専修のいずれかの免許状を取得していれば、養護教諭として働くことは可能です。しかし、持っている免許状の種類によっては、養護教諭としてのキャリアパスに違いが出てくる可能性もあります。

 教諭に比べると少ないですが、養護教諭にも管理職登用はあるため、管理職へのキャリアアップは決して閉ざされた道ではありません。なかには養護教諭から指導主事、副校長、とキャリアを積み重ね、校長になった人もいます。将来的にキャリアアップをめざして働く場合は、二種より一種、一種より専修と、より上級の免許状を取得しておく方がよいでしょう。

養護教諭免許状を取得した後の流れ

 養護教諭免許状を取得したら、次は養護教諭として学校で働くための採用試験にパスしなければなりません。養護教諭になるまでの流れには、主に2つの選択肢があります。各自治体の教員採用試験を受けて地方公務員として公立学校で働くか、各私立学校の採用試験を受けて合格した私立学校の職員として働くかのどちらかです。

各都道府県の教員採用試験を受ける

 公立学校の養護教諭になるためには、各都道府県(自治体)の教員採用試験を受けて合格する必要があります。採用試験は年1回で、試験の期間は自治体によって異なりますが、多くの場合は3月下旬〜4月頃に願書受付が開始します。

 試験の実施は6月〜9月頃で、1次試験と2次試験の2回に分けて実施されるケースがほとんどです。試験は筆記試験と面接で合否を決定します。筆記試験の内容は、一般教養や教職教養をはじめ、専門教科、作文・小論文です。面接試験の際、一般的な個人面接や集団面接のほか、模擬授業や場面指導、実技試験などが行われるケースもあります。

 養護教諭は小学校教諭など比べて競争率が高く、自治体によっては10倍以上のところもあります。養護教諭は各学校につき1名配置のケースが多く、そもそも募集枠が少ないためです。

各私立学校の採用試験を受ける

 私立学校の養護教諭を希望する場合は、各学校独自の採用試験を受けて合格する必要があります。 ただし、学校によっては養護教諭の採用試験を実施しない年度もあるため、希望の私立学校がある場合は、事前に調べておきましょう。

 試験内容も学校によって異なりますが、多くの場合は自治体の教員採用試験同様、筆記試験と面接で合否を決定します。面接試験の際、一般的な個人面接や集団面接のほか、場面指導などが行われるケースもあります。

臨時の職員として働く

 自治体の教員採用試験と私立学校の採用試験、どちらも不合格であった場合は、臨時採用試験に合格し、公立学校の臨時職員として働く道もあります。臨時採用された養護教諭は、産休または育休を取得する養護教諭に代わって短期間働くことができます。

養護教諭を目指すなら大学で一種免許状を取得するのがおすすめ

 養護教諭として働くために免許状を取得する際は、自分が将来どのようなキャリアを築きたいかをよく考えて、できるだけ上級の免許状を取得することをおすすめします。一種・二種・専修では、取得の過程で学歴にも差が出てくるため、給与面で違いが出てくるケースもあります。

 養護教諭の一種免許状を取得するなら、関西福祉科学大学・健康科学科への入学をご検討ください。教員就職率も高く、今話題の公認心理師の国家資格取得も目指すことができます。心の問題にも強い養護教諭として、4年間を通して充実したカリキュラムを学ぶことができます。


[注1]広島県:養護教諭普通免許状の取得
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/352497.pdf
[注2]大阪府:保健師免許による養護教諭二種免許状の授与申請について
https://www.pref.osaka.lg.jp/kyoshokuink/menkyo/hokenshi.html
[注3]東京都教育委員会:教員としての在職年数と単位修得により所有する教員免許の上級免許を取得する場合「専修免許状(共通)」 https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/static/kyoinsenko/menkyo/m_shinsei/m_kentei01.html
[注4]東京都人事委員会:東京都職員給料表(令和4年4月1日遡及適用) https://www.saiyou.metro.tokyo.lg.jp/pdf/kyuuryouhyou/kyuuryou_pdf/saisin_kyouiku.pdf
[注5]神奈川県:令和4年 職員の給与等に関する報告及び給与改定に関する勧告「別記第1~第3(給料表)」 https://www.pref.kanagawa.jp/documents/91368/r4bekki.pdf

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