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理学療法士
- 理学療法士
- 仕事内容
- 1日のスケジュール

理学療法士は医師の指示を受け、怪我や病気の患者さんにリハビリテーションを行うことで、基本動作の回復を助ける専門職です。1日のスケジュールは勤務先により異なるものの、平均的には8:30~17:00までの勤務帯が多く、午前と午後に理学療法を行い、就業前後やリハビリを行う合間に他の職員とミーティングをして情報共有をします。
本記事では、理学療法士の1日の仕事とスケジュールを知りたい人に向けて、具体的な仕事内容、残業や休日などについて紹介します。
目次
理学療法士の1日の仕事とスケジュールをわかりやすく紹介

ここでは、病院に勤務する理学療法士の一般的1日のスケジュールを例に紹介します。まずは、1日の大まかな仕事とスケジュールは以下のとおりです。
勤務時間 | 業務内容 |
~8:30 | 出勤 |
8:30~9:00 | 朝のミーティング |
9:00〜12:00 | 午前の理学療法 |
12:00〜13:00 | 休憩 |
13:00〜13:30 | 昼のミーティング |
13:30〜16:30 | 午後の理学療法 |
16:30〜17:00 | 終業ミーティング・書類作成・退勤 |
それぞれ、スケジュールの詳細を解説します。
スケジュールの詳細を解説!
- 8:30:出勤
私服で出勤し、職場に到着してから更衣室でケーシー(制服)に着替えます。手洗いやうがいを済ませてから、朝のミーティングに向かいます。 - 8:30〜9:00:朝のミーティング
朝のミーティングで他のスタッフと一緒に必要事項を伝達して情報を共有します。なお、職場によっては朝の勉強会を行うこともあるようです。
ミーティングが終わったら、患者さんのカルテを確認し、必要な器具や評価用紙の準備をします。 - 9:00〜12:00:午前の理学療法
患者さん1人当たり20分~1時間のリハビリを行うことが多いでしょう。患者さんは担当制です。内容は、日常生活動作の確認、筋力の増強、関節の動きの改善、痛みの緩和などです。運動器疾患や脳血管疾患、スポーツ中の怪我など、患者さんの病状に合わせて支援し、社会生活や日常生活の範囲を広げるのが目的の1つです。
また、リハビリが必要な人は年齢・性別を問いません。そのため、一人ひとりの患者さんとコミュニケーションを取り、確認しながらリハビリを進めていきます。
リハビリが終わったら、必要な情報をカルテに記載します。 - 12:00〜13:00:休憩
午後の診療まで、1時間程度の休憩があります。院内に食堂があればそこで同僚と昼食を取ったり、お弁当を持参したりして休憩します。 - 13:00〜13:30:昼のミーティング
午後の診療に入る前に、他のスタッフも集まり、午前中に担当した患者さんの状況を共有することもあります。
ミーティングがない場合は、午後から担当する患者さんのリハビリ計画やカルテの確認などを行います。 - 13:30〜16:30:午後の理学療法
病院により、午前は外来患者中心、午後は入院患者中心など、リハビリ対象者を分けていることもあります。
入院患者中心のリハビリでは、リハビリテーション室で行うだけでなく、在宅復帰をめざして、病院の周辺を歩いたり、実際に患者さんが復帰する予定の在宅を調査しに行くこともあります。
リハビリでは、運動器具や治療器具を使った理学療法だけでなく、メンタル面のサポートも行います。 - 16:30〜17:00:終業ミーティング・書類作成・退勤
午後の理学療法が終わった後は、患者さんの状況を終業ミーティングで共有します。また、リハビリ計画の作成やカルテ記載など、必要な書類を作成し、その日のうちに担当した患者さんの状況をまとめます。
緊急対応や勉強会などがなければ、業務が終わり次第退勤です。
理学療法士の具体的な仕事内容は?

リハビリテーションは医師の指示を受け、それぞれの患者さんの状況に合わせて行います。なお、リハビリ計画の作成や、在宅調査、患者さんの家族の相談に応じることも業務の一部です。ここでは、具体的な仕事内容を解説します。
運動療法

運動療法は筋力や柔軟性、持久力、平衡性など必要な機能の回復や維持を行ううえでも重要です。有酸素運動や無酸素運動、筋持久力運動、バランス運動など多くの方法があります。
また、食事や入浴、トイレなど、日常生活に必要な基本動作能力の回復や向上をめざす、日常生活動作練習(ADL練習)なども行われます。
物理療法
物理療法では、痛みの緩和や筋力・可動性の回復の他、障害の予防や軽減なども目的としています。そのため、社会復帰やスポーツ復帰の場面でも行います。
生活環境や住環境に関するアドバイス
また、住環境だけでなく、地域のコミュニティーなども調査して、退院後円滑に生活ができるように、退院後の生活を想定したプログラムをリハビリに取り入れることもします。
リハビリにより機能を回復させるだけでなく、生活環境や住環境、就業環境も含め、患者さんが社会復帰しやすい環境のサポートも大切な仕事となります。
検査測定
患者さんの運動機能を検査測定するだけでなく、基礎疾患や既往歴、生活状況などの基本情報、血圧や心電図などの身体情報など、あらゆる情報を入手します。
リハビリ計画作成後は、それをもとに治療が進められ、定期的に再評価を行いながら患者さんの回復をめざします。
補装具の適合判定
理学療法士は、患者さんに適した補助具を選んだり、実際に使い方を指導したりします。なお、補装具の適合判定では、医師や看護師、作業療法士、義肢装具士など他の専門職と一緒に行うこともあります。
義肢の場合、採寸や作成は義肢装具士が行うものの、理学療法士は作成過程から連携しています。
他職種や患者家族との連携
具体的には医師や看護師、社会福祉士、介護士、作業療法士・言語聴覚士、精神保健福祉士、栄養士、薬剤師、義肢装具士など多岐にわたります。これらの多職種との情報交換や連携は仕事上不可欠です。
また、患者さんの家族にリハビリの状況を伝えたり、相談を受けたりすることも重要な仕事です。患者さんが在宅に戻った後も介助が必要であれば、家族に正しい介助方法を指導します。
記録作成
そのため、記載する内容は単なるメモ程度ではなく、正確性や客観性などを満たす内容でなければいけません。それぞれの勤務先でカルテの記載方法も若干異なる可能性があるため、決められたルールに従って作成します。
理学療法士の働き方は?残業は多い?

理学療法士の勤務先は?
- 医療機関(一般病院、総合病院、公立病院、大学病院、クリニックなど)
- 介護老人保健施設
- 通所リハビリテーション事業所
- 訪問リハビリテーション事業所
- 障害児・者福祉施設
- 市役所
- 研究機関
- スポーツ施設(トレーナー)
- 健康関連企業
- 教育機関(大学、専門学校、特別支援学校など)
また、病院以外にも介護老人保健施設や障害児・者福祉施設、スポーツ施設など、理学療法士を必要としている機関は多くあります。
なお、上記の勤務先以外では、開発途上国や災害時の支援においても理学療法士の技術は必要とされています。
理学療法士の一般的な働き方
医療機関で夜勤があることはほとんどありませんが、夕方からの時間帯にスポーツ外来などで夜診としてリハビリを行っている施設はあります。
残業は多い?
院内勉強会を行っている施設では、希望により業務外の時間を利用して勉強会への参加も可能です。
休日は?
一方、365日体制の医療機関や福祉施設、スポーツ施設などでは、シフト制や変形労働時間制が採用されています。具体的には週休2日や4週8休制などです。
理学療法士になるには?
なお、養成校には4年制大学、短期大学、専門学校、特別支援学校があります。
理学療法士の資格取得後も、健康運動指導士や呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士、介護支援専門員など、それぞれの領域に特化した資格を取得することで、より仕事の幅を広げられます。
参考▶公益社団法人日本理学療法士協会
理学療法士の将来性
また、高齢化に伴い認知症、フレイル、転倒骨折、生活習慣病などの予防医療の需要も高まっています。理学療法士は運動の専門家としての知識や技術から、これらの要望に応えられる点も強みと考えられます。
AIや科学技術が進歩し、リハビリテーションの場面で活用できるようになったとしても、患者さんの痛みや辛さに寄り添える人間の理学療法士の存在は不可欠です。
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この記事を書いた人

所属:入試広報部
ひつじ5号
福祉・医療・教育系の「お仕事」について詳しくお伝えできるよう、頑張ります!