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理学療法士の将来性が知りたい!どうなる?
  • 2022.10.31

「理学療法士に将来性はあるのか?」

 リハビリの専門職の一つである理学療法士に興味がある高校生の方にとって、理学療法士の将来性や今後の需要について、気になるのではないでしょうか。

 また、作業療法士、言語聴覚士といった同じリハビリ専門職と迷っている高校生の方にとっても、理学療法士の将来性や今後の動向を知ることは職種選択において参考になると思います。

 今回は、理学療法士の需要が今後高まるのか?将来性について、詳しく見ていきたいと思います。

目次

理学療法士の需要は今後高まるの?将来性はあるの?

 理学療法士の将来性を知るために、まず現状がどうなっているのかを見ていきましょう。

理学療法士が増えすぎている?現状どのくらいの人数がいるの?

 理学療法士を目指す方や保護者の方の中には、理学療法士が増えすぎていて将来、仕事が減るのではないか?といった不安をお持ちの方も多いです。

 現状、理学療法士はどのくらいの人数がいるのでしょうか。
 令和3年時点での理学療法士数は、合計192,327人となっています。
  ▶出典:日本理学療法士協会_統計情報
 
 10年前の2011年(平成23年度)は、90,710人だった人数が、10年で10万人増えている背景や、同じリハビリ専門職の作業療法士に比べても約2倍の人数がいることから、理学療法士は飽和状態ではないかという声もあるかと思います。

「理学療法士の将来性はある」と言える3つのポイント

1:日本の超高齢社会化
 内閣府から出されている日本の高齢化の状況によると、日本の高齢化率は28.9%となっています。
 ※総人口1億2,532万人の内、65歳以上人口3,619万人(2019年10月1日現在)
 ▶出典:内閣府 令和2年版高齢社会白書(全体版)
 
 2065年には、高齢化率が38.4%になると予測されています。
 リハビリの対象となる方は、高齢者の方が多く、病院や介護・福祉施設などでリハビリ業務に従事することの多い理学療法士の需要はより高まっていくと考えられます。

 また、2007年に日本で生まれた子供の50%が107歳まで生きると言われています。
 ▶参考:リンダ・グラットン著『LIFE SHIFT』(東洋経済新報社)
 
 そんな「人生100年時代」といわれている現代社会。

 多くの人が、できるだけ人生の最後まで、他人の手をわずらわせることなく過ごしたいと考えるようになってきています。
 心身ともに自立し、健康的に生活できる期間「健康寿命」といった考え方も広く浸透してきています。

 しかし、上記の通り日本は高齢化が進んでおり、長寿でありながら介護期間が長く、医療費・介護費が増加していくとも言われています。

 今後の医療は、従来の悪くなったら病院にかかるといった「治す医療」だけでなく、高齢者の「自律性の向上」「QOL(Quality of Life)」といった患者さん以外にもアプローチする「健康維持・予防医療」の分野へも拡大していきます。

 このように、現代社会の変化という点からも理学療法士が求められるということがわかります。“人生100年時代”を支える国家資格職のひとつとして「理学療法士」が将来性のある職種であるといえると思います。

2:活躍の場所が増える
 次に、理学療法士が活躍できる場所やケースについて見ていきたいと思います。
 近年では、病院や福祉施設だけでなく、企業や行政で理学療法士として働くケースや、独立してフリーランスで活躍したり、デイサービスや訪問リハビリテーション施設を開業して活躍するケースも出てきています。
 
 また、理学療法士の養成校のオープンキャンパスや進学ガイダンスに参加して求人数が十分にあるのかといった内容を確認したり、インターネットで求人・転職サイトでどのような求人があるかなど調べてみるのも良いと思います。

3:今後求められる分野がある
 また、先述の通り日本の高齢化や人生100年時代への社会変化にともなって、老化や器質的障害により低下した身体的・心理的活動性を回復させ、自立性の向上とQOL (クオリティ・オブ・ライフ)の高い生活への復帰を目指す、「健康維持」「予防」を目的とした分野での需要が増えていきます。

 このように、従来の病気や障害を抱えてから病院や施設で関わっていた理学療法士が、病気になる前の「予防」「健康維持」で患者さん以外にも関わる機会や場所が増えるため、今後は様々な業界で需要がある可能性が高いと言われています。

理学療法士として今後求められることとは?

 今後も需要が高まっていく理学療法士ですが、国家資格を取得する人数が増えていくことや、医療の分野だけに限らず様々な分野でAI化が進んでいくと言われています。

 AI化が進むことで、理学療法士の仕事がなくなるのではないかという不安の声も聞こえてきそうですが、AIの導入で理学療法士の仕事がなくなってしまうということはありません。

 理学療法士の仕事はただリハビリをするだけではなく、患者さん一人ひとりの生活環境や家族環境を考慮して適切なリハビリを行ったり、患者さんの心のケアをしたりAIにはできない人だからできることがたくさんあるからです。

 理学療法士になってからのことがイメージできるこちらの動画もオススメです。
 AIでは不十分で、「人」だからできるということがイメージできると思います。
 ▶出典:日本理学療法士協会

 このような今後の背景を見ると、理学療法士として今後求められることは、現場経験を積みながら自身の得意な分野を作ったり、理学療法士協会によって認定される資格を取得してスキルアップを意識することも必要になってくると思います。

 そうすることで、AI化が進んで分析やリハビリプログラム作成をAIが担当しても、臨床や最終判断という人でしかできないことを幅広く担当できる理学療法士として長く働けるのではないでしょうか。

より専門性を高める資格取得

 理学療法士協会によって認定される「認定理学療法士」や「専門理学療法士」についても見ていきましょう。

 どちらの資格も、理学療法士としての技能や専門性の向上・維持を目的につくられた資格です。一つ以上の専門分野を決めて研修を受けることで試験を受けることができます。
 ▶認定・専門理学療法士制度について(日本理学療法士協会)

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