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作業療法士をめざすための学校(大学、専門学校)の違いは?
  • 2023.11.29

 作業療法士をめざすには、大学や専門学校などの学校に通う必要があります。しかし、具体的にどのような違いがあるのかわからず、どちらを受験すべきか悩んでいる方もいるでしょう。

 この記事では、作業療法士をめざすならどんな学校で学ぶべきか、大学や専門学校の違いに触れながらご紹介します。学習内容や学費、得られる学位の違いなど具体的に解説するので、作業療法士をめざしている方はぜひ参考にしてください。

目次

作業療法士をめざすならどんな学校で学ぶべき?

 作業療法士をめざすなら、大学や専門学校などの学校で学ぶ必要があります。どんな学校で学ぶと作業療法士をめざせるのか、大学と専門学校にはどんな特徴があるのか解説します。

作業療法士の養成課程がある学校に通う必要がある

 作業療法士をめざすなら、作業療法士養成課程がある学校を選んでください。作業療法士として働くには国家試験に合格する必要がありますが、養成施設を卒業しないと受験資格が得られません。学校を選ぶ際には、必ず作業療法士養成課程の有無を確認しましょう。

 作業療法士の養成課程があれば、通う学校は大学でも専門学校でも構いません。しかし、それぞれ学習する内容や学費、在学期間などが異なるため、比較検討のうえ学校を選ぶことが大切です。

 次からは、大学と専門学校の概要をご紹介します。

大学

 大学に通う場合は、医療系や保健医療系の学部に進みます。作業療法士の養成課程があるか、必ず確認してから進学を決めましょう。

 大学では、4年間かけて必要なことを学ぶので、じっくり学ぶことが可能です。また、作業療法士に関する勉強や実習だけでなく、いくつかの選択科目が設定されていることがあります。そのため、一般教養科目や語学をはじめ自分の興味のある授業を受けることができます。また、それぞれの大学の強みや特徴を活かした授業が展開されている場合もあります。

 幅広い分野を勉強することで、卒業後の進路の幅が広がります。在学中に身につけた知識を組み合わせて、新しいことをできるかもしれません。また、卒業後には国家試験を受けて作業療法士として働くほか、大学院への進学も選べます。

専門学校

 専門学校の場合も医療系や保健医療系などの作業療法士養成課程のある専門学校に進みます。リハビリテーション専門の専門学校も多くあります。在学期間は3年、もしくは4年です。4年制の専門学校を卒業すると大学卒業と同等の学力があると認められ、大学院進学も可能となります。専門学校では座学はもちろん、実習も積極的に行います。3年制なら、大学よりも早く働き始められるのも特徴の一つです。在学期間が1年短い分、学費も安く抑えられます。

 夜間部を設定している専門学校もあり、社会人として働きながら作業療法士をめざす人には適していると言えます。

作業療法士をめざすための大学と専門学校の違い

 作業療法士をめざすための大学と専門学校の違いについて、さまざまな視点から解説します。作業療法士の学校の違いがわからずどちらに進学しようか悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。

1. 設備や環境の違い

 大学と専門学校は、設備や環境にも違いがあります。大学は学校教育法によって設備の設置基準が定められているため、学習環境や教員の質、教育に必要な設備が充実しています。最先端の設備が整っている場合もあるでしょう。

 専門学校は、専門知識を得るための設備自体は整っていますが、図書室や食堂など校内全体の設備・環境の整備具合は、専門学校によって異なります。設備状況にばらつきが見られるので、ホームページの情報を見たり、学校に見学に行って確認したりすることをおすすめします。

2. 得られる学位の違い

 大学と専門学校では、得られる学位にも違いがあります。大学を卒業して得られるのは「学士」です。学士を得られれば大学院に進めます。

 もし大学院に進んだ場合、卒業時に得られる学位は「修士」もしくは「博士」です。どちらを得られるかは、修士課程に進んだか、博士課程に進んだかで異なります。

 専門学校は3年制だと「専門士」、4年生だと「高度専門士」の学位が与えられます。高度専門士は大学院にも進むことが可能です。専門士はそのままでは大学院への進学ができないため、めざす場合は4年制の学校への編入学が必要になると覚えておきましょう。

 なお、将来的に大学の教員をめざす場合は、修士もしくは博士の学位が必要になるので、大学院への進学は必須といえます。

3. 入学試験の違い

 私立大学では、小論文や面接などで評価する総合型選抜や学校推薦型選抜、学力テストで評価する一般選抜や共通テスト利用選抜など様々な入試が行われています。国立大学の入試では、共通テストと二次試験が行われるのが一般的です。

 専門学校は学力だけでなく、適性や人間性を重視する傾向があります。私立大学の総合型選抜のように面接があったり、学校によってはグループディスカッションなどを行うところも多いです。

 このように大学と専門学校では、入学試験の方法や合格基準にも違いがあります。

作業療法士をめざすための大学と専門学校の共通点

 作業療法士をめざすための大学と専門学校には、共通点もあります。大学・専門学校の共通点を具体的にご紹介します。

めざせる国家資格

 大学と専門学校は在学期間や学費、得られる学位などに違いがあるものの、どちらも作業療法士の国家資格の取得をめざすことが可能です。学習内容や取り組みのスタイルに違いがあるため、目的に合わせてどちらに進むか選ぶとよいでしょう。

 専門学校では、作業療法士に関する分野に集中して勉強や実習に取り組むことができます。また、実践経験が豊富なため、作業療法士として即戦力になれるでしょう。大学では、専門分野以外に一般教養なども多く、幅広い知識を身につけることで卒業後の進路選択の幅も広がるでしょう。

 このように、自身の状況や目的に合わせて学校を選ぶのがおすすめです。

得られるスキル・知識

 大学と専門学校のどちらを選んでも、作業療法士になるのに必要なスキルや知識を習得できます。しかし、学校によって力を入れている部分が異なる可能性があります。

 実践的なスキルを身につけることを重視し、実習が多めなカリキュラムを組んでいるところもあれば、国家資格の合格率にこだわり、試験対策に力を入れているところもあります。また、在籍している教員によって得意分野・専門分野にも違いがあるでしょう。ホームページやパンフレット、オープンキャンパスなで情報を集めて、どの分野に力を入れているか、何が強みなのかを調べておくことが大切です。自分にあった学校を探す際の、比較・検討材料として利用できます。

 また、大学の場合は一般教養や語学などの周辺知識も習得できます。社会人になったときに役立つ知識を幅広く学びたい方は、大学が適しているでしょう。

学びがいや楽しさ

 作業療法士になりたいのなら、どの学校を選んでも学びがいや楽しさを感じられます。学びがいや楽しさの感じ方は、やる気やモチベーションと大きく関わってきます。作業療法士に必要な分野を学び、新しいことを知ったり、実践しながらスキルが身につけたりする毎日は、充実したものになるでしょう。

 学びがいは、大学も専門学校も共通しています。学校生活の面で見ると、サークル活動などが活発で仲間と関わる時間が多い大学のほうが、総合的に楽しいと感じる場合もあります。

作業療法士をめざしたい!大学と専門学校のどちらに通えばよい?

 作業療法士をめざすための大学・専門学校の違いや共通点を紹介しましたが、どちらに通うべきか悩む方も多いでしょう。次からは、大学と専門学校のどちらを選ぶべきか、判断基準を紹介します。

こんな人は大学がおすすめ!

 作業療法士の勉強に加えて、さまざまな分野の勉強をして知見を広げたい人には大学がおすすめです。専門分野以外もまんべんなく学べるのが大学のよいところといえます。また、大学院まで進学を考えている人は、大学に入学するほうがよいでしょう。3年制の専門学校の場合、大学院への進学方法が複雑になるからです。国家試験の勉強と並行して編入等への準備をするのは大変なので、最初から大学を選ぶことをおすすめします。

 また、スケジュールに余裕を持ちながらじっくり学びたい人や、サークル活動など学生生活を楽しみたい方も、大学進学がおすすめです。

こんな人は専門学校がおすすめ!

 作業療法士の専門分野に特化して学びたい方は、専門学校を選ぶのがおすすめです。専門分野に絞って勉強するため、いち早く作業療法士の知識を身につけられます。また、専門学校は3年制が多いため、早く働き始めたい方、実務経験を積みたい方に適しているでしょう。

作業療法士をめざすための学校は目的や条件に合うところを選ぼう

 作業療法士をめざすときは、養成課程のある大学や専門学校に行く必要があります。大学と専門学校では在学期間や取得学位、学習内容などが異なりますが、どちらを選んでも作業療法士になることは可能です。したがって、「いつから働き始めたいのか」「将来はどのように過ごしたいのか」「進学に関する条件は何か」などを考えたうえで学校を選びましょう。

 将来の姿がはっきり見えない場合は、大学院への進学も視野に入れられたり、専門分野以外も広く学べて職業選択の幅が広がる大学を選択するというのも一つです。

 関西福祉科学大学の作業療法学専攻なら、作業療法士をめざしながら幅広い分野を学べます。さらに、国家試験の合格率は91.5%、2023年3月の卒業生の就職率は100%と高い成績を誇っているのも魅力の一つです。興味のある方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

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