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カウンセラーをめざした理由と魅力・やりがい
  • 2024.11.07

 カウンセラーの仕事は、相談者の悩みを聞いたり、心理検査(心理テスト)を実施したりして、最終的に相談者自身で悩みを解決できるようにサポートすることです。
 ストレスが社会問題になっている現代では、人を心の面から支援できるカウンセラーはとても大切な仕事です。

 本記事では、カウンセラーをめざした理由やきっかけ、仕事の魅力とやりがいや苦労、カウンセラーが活躍できる場所を紹介します。

目次

カウンセラーをめざした理由・きっかけは?

 カウンセラーとは、人の悩みに向きあい、カウンセリングなどにより最終的に相談者自身で問題を解決できるようにサポートする職業です。
 長時間労働や学校生活での問題など、ストレスを抱える原因は複雑化しています。

 体だけでなく、心の健康を支えるためにもカウンセラーは必要です。

 ここでは一般的な理由から、カウンセラーを目指す人の動機やきっかけを紹介します。

1. 身近な家族の気持ちに寄り添うために

 いつも元気で笑顔のたえなかった家族が、体調を崩したことをきっかけに、心の病にもなってしまった、このようなきっかけから、カウンセラーを志した人もいます。
 人は心の病にかかると口数が減ったり、イライラしたりなどの症状が現れ、悪化すれば別人のようになってしまうこともあります。

 家族は身近な存在のため、心の不調にも気が付きやすいです。
 しかし、心の病を抱える人は、家族や職場へ迷惑がかかることを嫌い、不調を隠してしまうこともあります。

 そのため、適切なサポートが不可欠です。
 病により変わっていく家族を目の当たりにして、どうすればサポートできたのか知りたいと思った結果、心理学を学ぶ人もいます。

2. 大きな災害経験をきっかけに

 災害で被災すると、家を失うだけでなく、命の危険にさらされることもあります。
 また、災害は発生時だけでなく、トラウマになるような場面を目撃したり、体験したりすると、被災後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの心の病を発症するケースも少なくありません。

 昨今の大災害の教訓から、被災者の生活の再建だけでなく、心のケアも大きな課題となっています。

 テレビで被災状況をみたり、知人が被災したりなどがきっかけで、自分にできることを探した結果、カウンセラーになろうと思った人もいるでしょう。

3. 介護職など現在の仕事に活かすために

 現在の仕事でスキルアップができると考え、カウンセラーの資格を取得する人もいます。

 たとえば、介護職では「高齢者ケアストレスカウンセラー」という、高齢者特有の心の問題に対応できるカウンセラー資格があります。
 また、人事部門であれば産業カウンセラーやキャリアカウンセラーなどの資格が有効です。

 今やカウンセラーは医療機関・教育機関・一般企業と幅広い需要があるため、資格を取得しておくと、それぞれの仕事に活かすこともできます。

カウンセラーという仕事のやりがいは?

 カウンセラーは人の役に立つ仕事の中でも、目には見えない心をより良い状態に変えられる専門職です。
 相談者が元気を取り戻したり、悩みが解決し「ありがとう」の言葉をかけられたり、改善を実感できるときがやりがいを感じる瞬間です

1. 悩みをもつ人の役に立てる

 医師や消防士、警察官など、人の役に立つ仕事はいろいろあります。
 しかし、人の悩みに向き合い、専門家として心のケアができるのはカウンセラーならではの仕事です。

 とくに、価値観が多様化し変化が激しい現代社会では、人の抱える悩みも複雑化しています。
 そのため、カウンセラーには一人ひとりの相談者の状況に向き合ったうえで、適切なケアが求められます。

 最初は暗く表情もこわばっていた相談者が、カウンセリングを重ねるごとに段々と穏やかさや明るさを取り戻していく姿を見れば、「この仕事を選んでよかった」と心から思うでしょう。

2. 悩みが解決できたときに感謝してもらえる

 悩みを抱える人は一つの問題だけでなく、複数の問題が絡み合っていることも少なくありません。
 さらに、悩み事やストレスがあると、頭痛やめまい、不眠のように全身症状になって現れることもあります。

 多くの人は自分自身で悩みを解決しようとしたけれど、対処できないからカウンセラーを頼ります。
 カウンセリングで親身に話を聞いて共感してもらい、悩みの解決方法を一つひとつ考えてもらえる過程は、それだけでも心が安らぐものです。

 悩みが解決できたときに相談者からかけられる感謝の言葉は、心からの本音でしょう。

 自分の経験や知識、スキルを活かして人から感謝されることは、仕事をするうえでの大きな喜びの一つです。

3. 人の心についての理解が深まる

 カウンセラーは相談者に対して改善方法を指示することが仕事ではありません。
 あくまでも、相談者の話を聞き質問などを重ねることで、相談者自らがよい状態に変わっていく手伝いをする仕事です。

 カウンセラー自身、多くの相談者に触れるなかで、人の心への理解は深まっていきます。
 また、仕事を続けることは、常に心の勉強をし続けることでもあります。

 心についての理解が深まれば、相談者だけでなく自分自身の理解も深まるでしょう。
 レベルアップし続けられることも、カウンセラーの仕事のやりがいです。

カウンセラーの活躍の場は?

 医療機関や教育現場、一般企業など、カウンセラーが活躍できる場は多岐にわたります。
 また、経験とスキルを積めば独立して、より特化したカウンセリングの提供も可能です。

 カウンセラーが活躍できる場と、必要なスキルを紹介します。

1. 医療機関

 病院やクリニックの精神科・心療内科・小児科では、医師の指示のもと、カウンセラーが患者の支援を行うことがあります。

 仕事内容は、患者へのカウンセリングを中心に、精神状態や病状の安定を計ります。
 また、面談記録を作成し、必要に応じて医師や看護師と共有します。

 なお、医療機関で働くカウンセラーの多くは、国家資格である公認心理師などのカウンセリングに関する資格を保有しています。[注1]

 将来医療機関のカウンセラーを目指すなら、どのような資格が必要かも確認しましょう。

[注1]job tag「カウンセラー(医療福祉分野)」

2. 学校

 学校に勤務するカウンセラーは「スクールカウンセラー」と呼ばれ、主に生徒や保護者の悩みや相談に対応します。
 また、教職員のストレスケアとして、カウンセリングを行うケースもあります。

 なお、スクールカウンセラーになるには文部科学省の定める資格要件を満たさなければいけません。
 要件の一つに、公認心理師などの資格が挙げられます。[注2]

 大学院までの進学が資格取得方法の一つのため、スクールカウンセラーを目指す人は、事前に内容を確認しましょう。

[注2]job tag「スクールカウンセラー」

3. 一般企業

 一般企業でも、直接雇用や外部機関との連携により、カウンセラーを配置する会社が増えています。
 企業で働くカウンセラーには、従業員のメンタルケアとキャリア開発支援の2つの役割があります。

 また、カウンセラーがメンタルヘルス対策の講師を勤めたり、組織改善の支援をしたりもします。

 一般企業の場合、カウンセラーに求められる資格はそれぞれの会社により異なります。
 公認心理師のような国家資格はもちろん、産業カウンセラー、キャリアカウンセラーなどの資格があれば有利でしょう。

4. 独立

 カウンセラーは組織に所属して活躍するだけでなく、専門性を活かして独立や開業を目指せる職業です。

 独立した場合、仕事内容は自由に決められます。
 そのため、ストレスケアだけでなく、女性相談に特化したカウンセリングルームや、グループ・カウンセリングなど、独自性を活かすことも可能です。

 カウンセラーとして独立するときは、心理学の知識だけでなく、組織・従業員管理など、経営者としての能力も問われます。
 また、独立にはお金も時間もかかるため、事前に開業方法を調べるなどして、イメージしておくとよいでしょう。

カウンセラーとして働く魅力は?

 悩みを抱える人を支えるカウンセラーの仕事は、社会貢献性の高い職業でもあります。
 また、公認心理師が国家資格として整備されたことからも、将来性の高さがうかがえます。

 カウンセラーとして働くことにどのような魅力があるのか紹介します。

1. 社会貢献できる

 カウンセラーとして働きたいと思っている人は「誰かの役に立ちたい」と、自分のできることで社会に貢献したいと思っている人も多いでしょう。
 専門知識を元にしたカウンセリングができれば、年齢・性別・職業を問わず、悩みを抱える多くの人をサポートできます。

 また、災害などで被災した人の心のサポートや、ひきこもり・不登校の児童の援助などが、現代では心の支援の課題も多くあります。
 これらの課題と向き合えるカウンセラーは、社会貢献性の高い仕事といっても過言ではありません。

 もちろん仕事だけでなく、家族や友人など、いざというときは身近な人の心の健康を守れる点もカウンセラーの仕事の魅力です。

2. 将来性がある

 カウンセラーの仕事は、人がいる限りなくならない仕事といえます。
 また、変化の著しい現代では、老若男女問わずストレスを抱えています。

 一例として、厚生労働省が発表した調査報告によると、労働者の82.7%が生活や仕事で、強い不安やストレスを感じることがあると回答しています。[注3]

 また、ストレスが原因の退職や離職は、企業にとって大きな損失となることからも、メンタルヘルス対策が急がれています。

 このような中、2018年9月には公認心理師が初めて心理職の国家資格になりました。[注4]
 「国民の心の健康を保持し増進をはかること」を目的として、国が法整備を始めたことからも、今後ますますカウンセラーの需要は高まるものと考えられます。

[注3]厚生労働省「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況」
[注4]e-ヘルスネット「公認心理師 / 臨床心理士 / 臨床心理技術者」

3. 独立することも可能!

 仕事の中には、経験やスキルを積んで独立・開業が目指せるものと、そうではないものがあります。
 カウンセラーは、複数の資格を取得できるだけでなく、経験や実力を積めば独立も目指せる仕事です。

 独立すればその分責任は増すものの、より多くの相談者の悩みを解決したり、自分の理想のカウンセリングルームを開業したり、やりがいも大きくなります。

 自分の頑張り次第で、給与や働き方を変えられる点も、カウンセラーの仕事の魅力です。

カウンセラーとしての苦労は?

 カウンセラーの仕事はマニュアル通りに進むものではなく、相談者一人ひとりに合わせた対応が必要です。
 また、カウンセリングのスキルを磨くためには、継続した勉強が欠かせません。

 カウンセラーとして働くときに想定される苦労を解説します。

悩みは人によって異なる

 カウンセラーの仕事は、一人ひとりの相談者に合わせ、最適な解決策を提案していかなければいけません。
 最初から答えが決まっており、マニュアル通りに進めればよい仕事ではないため、臨機応変な対応力も必要です。

 相談者によっては、複数回のカウンセリングを続けても回復が見られず、もどかしい気持ちになるかもしれません。

 また、悩みが重く辛いものであれば、話しを聞いているうちに感情移入しすぎてしまうこともあります。

 しかし、カウンセラーが冷静さを失うと、適切なカウンセリングはできないため、精神的な強さも必要です。

 また、ただ座っているだけでも、人の話を聞いて、理解・共感する行為は、想像以上に体力や気力を消耗します。
 カウンセラー自身に体や心の不調があれば、黙って話を聞き続けるのは困難です。

 そのため、人一倍、健康管理には気を付けなければいけません。

継続的に勉強していく必要がある

 心や意識のすべては、いまだに科学的に解明されていません。
 心の学問は日々進歩を続けており、心理学を学んだあとでも新しい研究や発見が発表され、古い知識が覆されることもあります。

 カウンセリングの仕事も、一人ひとりの相談者により対応が異なるため、毎日が新しい発見と学びの連続です。

 また、カウンセラーとして信頼を得るためには、継続して資格の取得も必要です。
 資格の種類によっては更新のための勉強も必要になります。

 以上のように、人の心にはまだまだわからないことが多くあります。
 カウンセラーとしての腕を上げるためには、大学を卒業して就職した後も、継続した勉強が欠かせません。

関西福祉科学大学の心理科学科でカウンセラーを目指そう!

 「誰かの役に立ちたい」との思いから、カウンセラーの仕事を目指す人は多いでしょう。
 学生の悩みの相談にのったり、働く人の心のケアをしたりするカウンセラーの仕事は、社会貢献性の高い仕事の一つです。

 将来、心の専門家としてカウンセラーの仕事をしたい方には、国家資格の公認心理師の取得が目指せる、関西福祉科学大学心理科学科をおすすめします。
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