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養護教諭(保健室の先生)をめざした理由と魅力・やりがい
  • 2024.02.28

 養護教諭は、保健室の先生として子どもの健康管理や保健教育を行います。実際に養護教諭として働く人が養護教諭をめざした理由やきっかけ、養護教諭として働くうえでのやりがいや魅力を知り、今後の進路の参考にしたい方もいるでしょう。

 この記事では養護教諭をめざした理由ややりがいや魅力だけでなく、仕事をするうえでの大変さについても解説します。養護教諭という働き方に興味を持っている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

養護教諭をめざした理由・きっかけは?

 まずは養護教諭として働く人が養護教諭をめざした理由・きっかけの主な内容を4つ紹介します。

1. 教育現場で働きたいと思っていた

 養護教諭をめざす理由の一つに、教育現場で働きたいという理由が挙げられます。養護教諭になると、小・中・高等学校で保健室の先生として教育に携わることになります。学校全体の保健教育や健康管理を行うため、学級担任とは違った位置から、さまざまな児童生徒と関わりを持つことが可能です。

 養護教諭は、学校内に一人の配置が多いことから児童生徒に覚えてもらいやすかったり、学級や教科を担当する教諭と違って児童生徒に成績をつけることがなかったりするという特徴があります。そうした特徴に魅力を感じる人もいるでしょう。

2. 子どもの健康や生活をサポートしたい

 子どもの健やかな生活をサポートしたいという理由で、養護教諭をめざす人もいます。養護教諭は子どもたちの健康を管理したり、健やかな生活習慣を身に付けてもらうための教育を行ったりします。病気やケガのケアはもちろんですが、近年では心の問題を抱える子どもに寄り添ってカウンセリングを行う場面が増えています。

 成長が著しい時期の子どもに、健康面、生活面からサポートしたい人や、悩み事や心配事を聞いて寄り添ったり解決策を探したりしながら、精神的な成長を支援したい人などが養護教諭をめざすことが多いです。

3. 保健室の先生に憧れていた

 過去に保健室の先生にお世話になった経験から、養護教諭をめざす人もいます。ケガや体調不良で保健室に行った際に優しくしてもらった経験や、悩みを親身に聞いてもらった経験がある人もいるでしょう。

「保健室の先生なら話を聞いてくれる」「いつでも味方になってくれる」と信頼し、憧れを抱く人も多いです。過去の経験がきっかけになり、「さまざまな子どもたちを支えてあげたい」「子どものよりどころになりたい」と思う人も少なくありません。

4. 看護師の経験を活かして働きたいと思った

 一度看護師として働いていた人が、医療に関する知識や現場での経験を活かしたいと思い、養護教諭をめざす場合もあります。子どもが体調不良を訴えたときやケガをしたとき、養護教諭は適切な処置をとらなければなりません。看護師の知識や経験があれば、緊急の場合でもスムーズに適切な処置がとれるでしょう。

 実際に医療現場に従事して「自分のやりたいことと違う」と感じたり、看護師の知識や経験を活かしてキャリアアップしたいと考えたりする人が、あらためて養護教諭をめざすことがあります。

養護教諭という仕事のやりがいは?

 養護教諭として働いている人は、以下の部分にやりがいを感じる人が多くいるようです。
  • 子どもたちから頼られる
  • 子どもが元気になったときに喜びを感じられる
  • 子どもや保護者に感謝される
ここからさらに、具体的な内容を紹介します。

子どもたちから頼られる

 養護教諭は一般的に、各学校に一人しか配置されません。学級や学年の担当を持つことなく全校児童生徒の「保健室の先生」として働きます。ケガをしたときや具合が悪いときに、すべての子どもたちが養護教諭を頼ることになるでしょう。悩み事の相談も、担任教諭ではなく養護教諭にしたいと考える児童生徒も少なくありません。「親にも友達にも話せない」と、養護教諭を心のよりどころとする児童生徒もいます。

 たった一人で全校児童生徒を相手にするのは大変な面もあるでしょう。責任感を求められる仕事ですが、多くの子どもたちから頼られることは、たくさんの人に貢献できる仕事とも考えられます。このような働き方ができるのは、養護教諭ならではです。大きなやりがいを感じられるでしょう。

子どもが元気になったときに喜びを感じられる

 子どもが元気になったときに喜びを感じられるのも、養護教諭のやりがいの一つです。養護教諭は子どもたちの健康管理や生活習慣の教育、心のケアを行います。病気やケガの処置を適切に行ったことで、のちに元気な姿を見せてくれたり、最初は落ち込んだ様子だった子どもが、さまざまな話をするうちに笑顔を見せてくれたりしたときには、大きな喜びを感じられるでしょう。子どもたちをサポートするためには直接的な関わりだけでなく、担任教諭と連携したり病院や外部機関との調整を行ったりもします。

 様々なサポートの結果、子どもたちが元気になった姿を見られることは、大きな喜びであり、やりがいを感じられる瞬間です。多くの子どもたちを元気にできるのは、養護教諭の魅力ともいえます。

子どもや保護者から感謝される

 養護教諭は、子どもが困っているときに手を差し伸べることが多い仕事です。そのため自然と感謝される場面が多くなります。ケガの手当てをしたときや悩みの相談に乗ったときに感謝されたり、在校中に数回しか関わりを持たなかった子どもにも「ありがとうございました」とお礼されたりするため、養護教諭の仕事の価値や意義を実感しやすいでしょう。

 また、感謝されるのは、児童生徒からだけではありません。ケガや病気に関する適切なアドバイスをしたことで、保護者からお礼を述べられる場面もあります。感謝の言葉が励みになったり、誰かの助けになれる喜びを感じたりと、大きなやりがいにつながるでしょう。

養護教諭として働く魅力は?

 養護教諭は子どもの健やかな成長を身近でサポートできたり、全校児童生徒みんなの先生になれたりするという魅力があります。また、教育分野だけでなく保健分野の知識や技術も求められるため、幅広く活躍できる点も魅力の一つです。そうした魅力を詳しく紹介します。

子どもの成長を身近でサポートできる

 子どもたちの成長を身近でサポートできるのは、養護教諭として働く魅力の一つです。養護教諭は、保健室の先生として子どもたちのケガの処置や健康管理を行ったり、勉強や友人関係、部活動などの悩みを聞いたりして、身体的なことから精神的なことまでサポートを行います。時にはカウンセラー的な役割を果たすこともあるでしょう。誰にも話せないことを打ち明ける相手として、子どもたちが養護教諭を選ぶ場合も少なくありません。

 日々成長する子どもたちのそばでさまざまなサポートを行えるのは、養護教諭の特権です。ケガや病気だった子が元気に成長する姿や、悩みを抱え苦しんでいた子が精神的に大人になっていく姿などを見届けられるのは喜びでもあり、養護教諭として働く魅力ともいえます。

児童や生徒みんなの先生になれる

 学級や教科を担当する教諭は、自身が受け持つ学級・学年や顧問として入るクラブなど、限られた児童生徒との関わりが中心です。しかし、養護教諭は学級担任を持つわけではなく、「保健室の先生」として全校児童生徒と関わり、みんなの先生になれるのも魅力の一つです。

 養護教諭は、子どもたちの健康状態を把握・管理して、手洗いや換気などの環境衛生について教育します。保健室でケガの手当てや体調不良の児童生徒の様子をみる場面もあるでしょう。児童生徒全員と同じ密度で関わるのは難しいですが、すべての子どもとコミュニケーションを図る機会があります。子どもが好きな人や、多くの児童生徒と関わりたい人にとって、みんなの先生になれるのは大きな魅力といえるでしょう。

教育分野と保健分野の両面が求められる仕事

 養護教諭は、教育分野と保健分野の両面が求められる仕事です。業務では健康管理や保健教育、急病やケガの対応などを行うため、医療や看護の知識も求められます。また、子どもの悩み相談に乗って心のケアも行うため、カウンセラー的役割も持ち、心と身体の両面からサポートを行います。一人で何役もこなす養護教諭は、子どもを守ったり育てたりしながら多くの場面で活躍する仕事です。やりがいもあり、魅力的な仕事だといえるでしょう。

 また、近年では肥満や運動不足、生活習慣の乱れやメンタルヘルス問題など、子どもたちの健康課題が多様化しています。複雑化する課題の解決に、適した知識を兼ね備えている養護教諭に期待も高まっています。知識を深めて対応力が高まることで社会問題にも大きく貢献できる点も魅力の一つです。

養護教諭として働く大変さは?

 養護教諭はやりがいも魅力もある仕事ですが、働く大変さもあります。どういった点で大変なのかを具体的に解説します。

自分だけで多くの仕事をこなす必要がある

 養護教諭は多くの場合、各学校に一人しか配置されません。そのため一人で数多くの仕事をこなす必要があります。特に、健康診断を行う際の仕事量は膨大です。一学期は通常の身体測定以外に聴力検査、視力検査なども行うため、前年度から準備を進めなければ間に合わないといわれています。また、教職員の健康診断の手配も、養護教諭の仕事です。児童生徒と教職員の書類処理をすべて行う必要があるため、勤務時間内に処理しきれない場合もあるでしょう。

 普段の学校生活の中では、ケガの処置や体調不良時の看病、心のケアなど、多くの児童生徒と関わります。大きなケガや病気で問題が起きた場合は、対応時の報告をしたり、保護者と連絡を取り合ったりする必要があります。正しい処置をしていてもケガや病気の予後がよくなかったり、対応に不満を持ったりしてクレームに発展することもゼロではありません。保護者から子どもの保健室登校や心の問題について相談を受ける場面もあるでしょう。

 このように、養護教諭は多くの仕事をこなす必要があります。しかし、一人での処理が難しい問題については他の教職員と連携しながら解決にあたる場合も多いため、「一人で解決しなければ」と思う必要はありません。他の人の手を借りながら仕事にあたることが大切です。

正確な判断を求められる

 養護教諭は、児童生徒の症状やケガの状況を見ながら正確な判断をしなければなりません。例えば頭痛や嘔吐がある生徒の場合、疲れからの症状なのか、病気が潜んでいるのかを判断したり、ケガの手当てをしながら病原菌の感染を疑ったりと、さまざまな可能性を考える必要があります。医療機関と連携を取ったり素早い応急処置をしたりと、状況によって必要な対応をします。判断を誤ると児童生徒の命に関わる場合もあるため、強い責任感をもって業務にあたることを求められる仕事です。

 また、悩み事への相談に関しても対応を誤ると、児童生徒の心に深い傷を負わせたり、さらに落ち込んでしまったりする可能性もあります。メンタル面のサポートでも適切な判断のうえ、対話を行わなければなりません。このように養護教諭は、正確な判断を求められる場面が多いです。普段から専門知識の習得のため研修会に参加したり、勉強したりして、適切な対応がとれる体制を整えておく必要があります。

 責任ある仕事のためプレッシャーも大きいですが、スキルアップができて大きなやりがいを感じられる仕事でもあるでしょう。

養護教諭は多くの人に感謝される貢献度の高い仕事

 養護教諭は、学級や教科を担当する教諭とは異なる形で教育現場に入り、子どもたちをサポートする仕事です。ケガや病気で子どもたちから頼られて、サポートの甲斐があって元気になった姿を見たときには、大きな喜びを感じられるでしょう。また、感謝の言葉を受け取る場面が多く、社会貢献していることを実感できるのも魅力の一つです。

 一方で、一人で多くの仕事をこなしたり、正確な判断が求められたりする大変さもあります。責任ある仕事のためプレッシャーもありますが、やりがいがあるのは事実です。時代の急激な変化から子どもたちの健康問題も多様化している中、解決の糸口となる知識を有する養護教諭は、今後ますます期待される職業になるでしょう。

 養護教諭に興味がある方は、養護教諭養成課程のある大学への進学を検討してみてください。関西福祉科学大学・健康科学科では、養護教諭をめざす仲間とともに切磋琢磨しながら学ぶことができます。ぜひオープンキャンパスに来て、ミニ講義を受講したり、先輩学生の話を聞いたり、養護教諭になるための学びを体験してみてください。

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