理学療法士になるには
  • 2022.11.21

  • 2023.07.26

 進路を考える中で理学療法士を知り、興味を持ち始めた高校生の方もいると思います。そのなかには「理学療法士になるには」どうすればよいのかを知りたい人もいるのではないでしょうか?

 今回は、理学療法士になるための方法や、必要な資格、学校選びについての情報を詳しく見ていきたいと思います。

 理学療法士になるための情報を知り、どのように行動していけばよいのかについても触れていきたいと思いますので、みなさんの進路選択の参考になればと思います。

目次

理学療法士になるには~必要な国家資格~

 将来、理学療法士になって活躍するためには、国家試験に合格して国家資格を取得する必要があります。

国家資格とは

 国家資格とは、国が法律で定め、国や地方公共団体などが認定する資格のことをいいます。
 理学療法士の場合は、「理学療法士及び作業療法士法」という法律にもとづき、厚生労働大臣が免許を与えます。

国家試験とは

 理学療法士の国家試験を受けるための要件はどのようになっているのでしょうか?

 文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において、3年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得したものとなっています。
 ▶参照:厚生労働省HP

理学療法士の国家試験の合格率はどのくらい?

 国家試験の合格率は、最近の過去5年間ですと、83.7%になっています。

 ※平成31年度~令和5年度
 受験者数:62,467名
 合格者数:52,259名
 ▶出典:日本理学療法士協会_統計情報

理学療法士の国家資格保有者はどのくらい?

 令和5年度における理学療法士の国家試験合格者の累計は、213,735人となっています。
 ▶出典:日本理学療法士協会_統計情報

 10年で約10万人の新しい理学療法士が誕生し、病院や診療所などの医療施設や介護老人保健施設、通所・訪問リハビリテーションなどの介護保険施設等で活躍しています。

 また、理学療法士の国家資格は更新制ではなく、一度取得すれば半永久的に、理学療法士として働くことができます。

理学療法士になるには~学校について~

 理学療法士になるためには、まず理学療法士養成施設で3年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得して、国家試験を受け合格する必要があるとわかりました。
 次に、理学療法士になるための学校について詳しく見ていきたいと思います。

理学療法士の養成施設について

 理学療法士になるには、独学で勉強して知識及び技能を学んでも国家試験を受験できません。
 必ず下記のような養成校で学ぶ必要があります。
  • 4年制大学
  • 短期大学(3年制)
  • 専門学校(3年制、4年制)
  • 専門職大学(4年制)
 理学療法士の養成校は、全国に279校あります。
 4年制大学が121校、短大が8校、専門学校が145学校、専門職大学が5校です。

 4年制大学と専門学校の数が多く、どちらかに進学して理学療法士を目指す高校生が多いです。
 そのため、どちらに進学して学ぶかを迷う方も多いと思います。

 専門学校の場合、最短3年で現場での実践力を重視したカリキュラムで学ぶことができます。
 また、4年制大学の場合、理学療法士になるための知識や実践実習に加えて、一般教養や英語やフランス語、中国語といった外国語や体育などの授業もあり、興味のある授業を選択して学部や専攻を問わず幅広い講義を受講できます。

 1つの専門分野だけではなく、様々な分野を学びながら専門性のある知識と技能を修得したいという方は、4年制大学が向いていると思います。4年制大学卒業後は「学士」という学位が取得でき、大学院へ進学して研究を行う人も増えてきています。
 ▶参照:4年制大学 関西福祉科学大学 理学療法学専攻カリキュラム

理学療法士の学校でどんなことを学ぶ?

 理学療法士の養成校ではどのようなことを学ぶのでしょうか?

 理学療法士になるためのカリキュラムは、下記のようになっています。

・一般教養科目

・専門基礎科目
 専門基礎科目では身体の仕組みを中心に学びます。
 
・専門科目
 専門科目では、理学療法士に必要な知識や技能を修得します。実技やグループで課題に取り組む授業もあります。

・臨床実習
 リハビリ病院や福祉施設に行き、実際に現場で働いている理学療法士から指導を受けます。
 ▶参照:4年制大学 関西福祉科学大学 理学療法学専攻カリキュラム

理学療法士になるための学校選びのポイント

・国家試験の合格率や就職率を見る
 養成校によって、国家試験の対策内容や合格率の実績は異なります。
 また、就職率や就職先の実績についても学校選びには大切なポイントです。

 国家試験の合格率や就職率については、学校ごとに数字で比較できるポイントですので、必ず確認するようにしたい内容です。

・学ぶ環境を見る(設備)
 理学療法士になるためには、座学と実習を通してしっかり知識と技能を修得が必要です。そのため、学ぶ環境はとても重要になります。

 広大な教室や講義・演習のための施設があり、最新の設備や環境が整っているのかどうか等、設備面での比較はしておくと良いと思います。

 また、学校によっては附属病院がある養成校もあります。
 附属病院がある養成校では、身近に充実した実習環境があることもポイントのひとつと言えます。

 自習ができる専用の場所や、複数人で学修ができる場所などが充実しているかについても、学ぶ環境として大切にしたいポイントです。

 パソコンを設置した教室や、インターネットが利用できるWi-Fi(無線LAN)環境がしっかりと整備されているかどうかも設備面を見る上では、重要だと思います。

・何がどのように学べるか知る(カリキュラム)
 大学・短大と専門学校では、学ぶ目的や設備面、授業内容に違いがあります。3年間で学ぶのか、4年間で学ぶのか、大学、短大、専門学校で学ぶのか。それそれの特徴を知って、自分の考え方や、学び方に合った進路を選択するのが大切です。

 インターネットや、進路情報誌、進路ガイダンスなどで興味を持った学校のホームページやオンラインでの学校見学、または実際に学校に足を運んでオープンキャンパスに参加するとそれぞれの学校で学べる内容や特徴、学校の雰囲気を知ることができます。

 インターネットの情報だけでなく、自分で見て感じた情報も大切にして学校選びをしてください。

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