心理科学科 Psychology

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関西福祉科学大学大学院心理臨床学専攻:公認心理師養成カリキュラム

公認心理師に専心して心理学を学ぶ大学院

本学では、2022年度より、臨床心理士を受験するための大学院科目を提供しないことになりました。
これは、公認心理師をめざす人たちに、大学院で公認心理師としての専門の学びをさらに深めてもらいたいからです。
臨床心理士制度は大学院だけで心理学の民間資格を養成するコースですから、心理学を初歩から学ぶ大学院科目が必要です。
公認心理師をめざす心理卒の人たちが、大学院でそのような基礎から学び直す授業を受けることには意味がありません。
他学部出身で心理学の実験や研究法を学んだことのない人には、臨床心理士の修士課程は貴重な選択となるかもしれません。
私たちは大学学部4年の学びの中での心理学の知識を前提に、大学院でより高度な知識とスキルを学んでほしいのです。

公認心理師だけではなく臨床心理士もめざす方へ

言葉足らずになるかもしれませんが、私たちの考え方をご説明しておきます。
公認心理師をめざす皆さんは学部で心理学の専門教育を受けてきたはずです。
それなのに、学部の心理学教育を受けていないで取得できる臨床心理士をなぜめざすのでしょう。
多彩な経験を経た人たちが、2年の訓練で臨床心理士をめざすことには意味があり、心理学以外の部分でも支援を提供するメリットがあるかもしれません。
しかし、学部で心理学を学んできた皆さんが、公認心理士に加えて臨床心理士の資格を取ることで、対象の人たちにどんなメリットを提供できるのでしょう。
もしも、取得できるものなら資格が多い方がよいと思っているとしたら、それは自分の利益のために選んでいることです。
自分の利益を優先するのは悪いことではないでしょうが、対象者の利益を最大にするという専門家のモラルからは望ましいとは言えません。
私たちは、大学で心理学を学び、さらに大学院で専門的に学んで、対象者を支援するために公認心理士をめざす人たちを歓迎しています。

パーソナル相談

大学院受験を考えておられる場合、指導ご希望の先生とパーソナル面談(対面・WEB)をされる方も少なくありません。
2022年度の指導教員の先生の専門と研究に関する情報は下記にあります。
ご興味のある方は、下記より、パーソナル相談をお申し込みをお待ちしています。
また、学部の受験生向きのものですが、オープンキャンパスが開催されます。
そこに参加されて、大学院についてご質問していただいても結構です。特に予約は不要です。

公認心理師国家試験の動向

日本心理研修センターより、令和4年度版「公認心理師試験出題基準・ブループリント」が公表されました。
ブループリントは、公認心理師として業務を行うために必要な基礎知識及び技能を具体的な項目で示したものです。
公認心理師試験委員会は、試験内容とそのレベルを確保するため、この基準によって出題することになっています。
現任者の移行試験が終われば、ブループリントの内容と大学と大学院で学ぶ内容はさらに一致する方向になるはずです。

2022年度大学院

2023年度研究演習担当者(氏名をクリックすると教員紹介にリンク)

相谷 登(あいたに のぼる) 
【研究テーマ】非行少年及び犯罪者の家族関係、裁判における量刑選択に関する心理的事象、夫婦の離婚と親権にまつわる諸問題  
公認心理師の活躍が期待される5領域の一つである司法領域に特化した「司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開」を担当します。犯罪者に関わる関係機関はもとより家事事件(離婚、後見制度など)関連の心理学的事象を取り扱います。
 

粟村 昭子(あわむら あきこ) 
【研究テーマ】投映法、パーソナリティ、病院臨床  
臨床の人たちは、社会変化の影響を受けやすいものです。‘今起きつつある臨床心理学的なテーマ’を研究します。方法として投映法による調査研究も含み、研究対象は思春期から高齢者までになります。また研究だけでなく修了後即戦力となれるように、投映法の指導も行います。
 

宇惠 弘(うえ ひろし) 
【研究テーマ】セルフ・エフィカシーの発達・形成 
セルフ・エフィカシーの発達過程・形成過程に注目し,得られた知見からセルフ・エフィカシーを向上させる方策の提案をすることが研究のテーマです。研究演習では,今後の研究や実践で役立つように,各人の研究テーマに適したデータの収集方法と分析方法が習得できることを当面の達成目標としたいと考えています。
 

小笠原 将之(おがさわら まさゆき) 
【研究テーマ】精神病理学、臨床哲学、精神・心理臨床(産業メンタルヘルス、精神的危機、自殺問題、死生学、グリーフケア等)、投映法心理検査(ロールシャッハテスト)  
「精神疾患」と呼ばれる現象の成立過程や、その背後の「存在論的問題」とでも形容すべき人間の根源的な苦悩などに関して、精神病理学・精神分析学・哲学・宗教などの関連領域の知見も踏まえつつ、精神・心理臨床の実践の中で地道に考察することを通じて、人間の心の救済につながるよりよき精神・心理臨床のあり方を模索しつづけています。

木村 貴彦(きむら たかひこ) 
【研究テーマ】認知心理学・人間工学・産業心理学  
人間の認知特性について、基礎的・実際的側面より明らかにしていきます。安全性・効率性などに関わる諸問題から研究課題を導出し、認知心理学的手法による検討から得られた知見を実際の場面に還元していくことを目指します。
 
櫻井 秀雄(さくらい ひでお) 
【研究テーマ】自閉スペクトラム症(ASD)・2次障害予防・アイデンティティ形成・自尊感情・仲間関係支援・余暇活動支援プログラム    
「発達診断と発達臨床心理学的支援」をテーマとして、特に自閉スペクトラム症(ASD)およびその周辺の発達障害への治療・教育的介入と環境との関連性について臨床体験を通じて学ぶとともに、修士論文の作成指導を行います。現在、ASD児者の2次障害予防とアイデンティティ形成に関する臨床心理学研究として、ASDの発達特性をポジティブに活用することで自尊感情の向上を促す余暇活動支援プログラムの開発に取り組んでいます。

多田 美香里(だだ みかり) 
【研究テーマ】空間の認識と移動、把持動作に関する実験的研究  
基礎心理学に関する実験的検討をテーマとします。実験計画法や統計解析に関する知識も深めながら、人間の心の働きを知る上で最も基礎的な領域である知覚・感覚・認知などの心的機能について実験を行います。

谷向 みつえ(たにむかい みつえ) 子育て支援、保育、児童福祉領域の心理臨床  
【研究テーマ】子育て支援、母子保健、保育、児童福祉施設など、親と子の育ちの領域における臨床実践を通して研究を進めます。子育て不安や虐待など課題が山積する実践現場で、子どもの健やかな発達の基盤形成の支援を目的に、Attachmentや関係性の発達という視点から事象を捉え、現場に還元できる研究を目指します。
 

長見 まき子(ながみ まきこ) 
【研究テーマ】働く人のメンタルヘルス EAP(従業員支援プログラム) 職場復帰支援 * 
働く人のメンタルヘルスやストレス反応に影響を与える心理社会的要因の検討を行います。それに基づき、働く人のメンタルヘルスへの心理的援助方法に関する研究を実践的に展開します。また、EAP研究所でうつ病休職者に対する職場復帰支援プログラムの実習を行う機会もあります。

福田 早苗(ふくだ さなえ) 
【研究テーマ】健康心理学、予防医学、公衆衛生学、精神神経内分泌学  
病気の予防に関する調査研究をメインテーマとしています。特にストレス・疲労等のメンタル面、生活習慣、生活環境等の要因と心身双方の疾患の関わりについて研究しています。

津田 恭充(つだ ひさみつ) 
【研究テーマ】非意識、認知バイアス、自己意識、潜在連合テスト  
臨床心理学、社会心理学、パーソナリティ心理学などを分野横断的に研究することを通じて、人の意識的な側面だけでなく非意識的な側面を明らかにすることを目指しています。臨床面では主に認知行動療法を扱っています。


*は最近の研究論文例のリンク(pdfまでリンクしていない場合もあります)。詳細は、教員紹介の業績や論文検索(Google Scholarなど)でご覧ください。
・各教員が主指導した修士論文の細は、本学リポジトリにあります。


 

公認心理師は、はじめての心理学専門家の国家資格

 心理学の専門職として、多様な領域で活躍することができる心理職の国家資格です。実践5領域が示されています。
 本学は、以下の5領域で活躍する公認心理師を養成することをめざしています。
 〇福祉:本学の基盤・中核であり、近年、社会的ニーズも高くなってきています。 
 〇医療・健康:これまでに、臨床心理士を養成してきており実績があります。 
 〇産業:本学付属のEAP研究所を含めて産業メンタルヘルスの実践実績があります。
 〇司法:これまでに多くの卒業生を送り出しています。福祉領域ともつながるものです。
 〇教育:これまで、臨床心理士養成を通じてスクールカウンセラーの養成をしてきた実績があります。

※公認心理師法の詳細は、厚生労働省のホームページへ(リンク)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116049.html

公認心理師養成の大学院とは

・公認心理師になるには国家試験を受験し合格する必要があります。
・このために、心理学を専門としており、受験に必要な心理学科目を学び実習する大学学部教育を受けて卒業している必要があります。
・その後、国家試験を受験する資格を得るためには、大学院で2年間学ぶのと実務経験を積むという2通りの方法があります
・大学院で学ぶことのメリットは最短で受験資格を得られることと、受験のために十分に準備することができることです。
・また、新しい研究領域に触れることで、現在、心理学専門家のサービスがまだ行き届いていない実践の場を開拓し活躍する力が蓄えられます。20年後にはもっと多くの場で心理学の専門家が活躍し絵散ることになるでしょう。

大学院は「公認心理師養成課程」として確認通知を得ています

 すでに、文部科学省および厚生労働省より、「公認心理師」養成に必要な科目の確認が完了した旨の通知(平成30年10月1日付 29受初健食第23号、障精発1001第1号)があり、2018年度入学生から、「公認心理師」取得に対応したカリキュラムを実施することが認められています。
 これより、関西福祉科学大学大学院 社会福祉学研究科 心理臨床学専攻で開講される所定のカリキュラムを履修することにより、公認心理師国家試験受験資格の取得が可能になっています。
 これまでの通り、指定大学院として臨床心理士の受験資格を得るためのカリキュラムを履修することも可能です。


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